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□ 解説
岡野の化学をはじめからていねいにと同じような位置づけの参考書である。ただ、入試問題が結構入っているので、はじていよりは対象レベルは上である。この本のいいところは、覚えるべきところがはっきりしており、そのあとに例題→入試問題とステップを踏めるところだ。本の中に情報を詰め込もうとするとどうしても知識の羅列になってしまうが、本書ではそのようなことはない。また、図や説明が丁寧であるためざっと見るだけでも簡単な復習ができるのも良い点である。直前文章の内容が一目でわかる絵や用語を説明するの辞書コーナー等は秀逸である。
無機や有機の分野においては、どのように反応が起こっていくのかを逐一丁寧に解説してある。化学初学者が躓くところをわかっているいい本であると感じた。無機片は3章になっており、1と2章は理論化学とのかかわりを説明してくれ、3章では無機の暗記事項をまとめてくれている。このまとまりも完成度が高いが、巻末にある過去問出題反応式一覧の活用度も高い。
使用法としては、岡野の化学をはじめからていねいにレベルの基礎を固めた後で本書に入り、まずは解説と例題をぱっと解いてみるとよい。初めはなかなか進まないであろうが、解説が丁寧なのでそれをガイドにしながら進ませればいい。最後に入試問題を解いて終わりである。最低3周はして、化学T・U重要問題集や化学T・U標準問題精講への足掛かりとしたい。
□ その他情報
・本当に化学はこんな言葉で片付けられるものなの?
と疑いたくなるくらいわかりやすい。
・無機編と有機編は傑作。
・知識の羅列本や後発の類書よりは知識が頭にすっきりと入りやすい。
・酸化還元の原理まで掘り下げて、そこから無機とはいかなるものかを探る一冊。
・無機では暗記しやすいよう各物質ごとに暗記用穴埋め問題をおいているので、暗記がスムーズに進む。
・はじていとは異なり、個々の化学反応の理解・記憶を助ける工夫がされている。
・有機化学は本当に分かりやすい。下手な予備校の有機化学の講習も受けなくて大丈夫。
・解説の丁寧な参考書はアウトプットの練習ができない場合が多い。しかし本書は穴埋めが所々にあるため知識の確認もできる。
・計算問題編は計算問題解法編といっても、その分野に必要な知識は網羅されている。
・計算問題編:常にコンパクトなのに丁寧な説明で大学受験で必要な計算問題を解く手法のほとんどが網羅されている。また、著者の経験から、間違いやすい問題をピックアップしてくれていること。
・全くの0からサポートするというわけではない。
・初学者や文系の人にとっては、少し難しいのではないか。
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鎌田真彰の化学理論化学 (計算問題解法編)
鎌田真彰の化学有機化学
鎌田真彰の化学理論化学 必修知識編