免疫学イラストレイテッド


解説

免疫生物学と並ぶ人気の書。世界で最も多く読まれている免疫学書の和訳版。免疫生物学よりも文章が簡潔であり、通読に向いている。医学生が最初に免疫学を学ぶのに適している。図が多く、読者に視覚的に理解させようとする姿勢が感じられる。また、臨床と関連付けて覚えさせようとする工夫もみられ、内容の不足は感じられない。
ただ、訳本は発行年(2000年)が古く、進歩の速い免疫学の知識に追い付いていない部分もあるため、原書を読むのが最もよい。


その他情報

・実験についての記述が多い。

・章初めの要約、章末の問題が付いているため試験対策に使える。

・免疫系の発生についての記述がみられる。他の教科書にはあまりない。

・版を追うごとに記述があっさりしてきた。もう少し文章を書いてほしい。

・執筆者が多い和訳本にありがちだが、全体の統一性が取れていないため読みづらい。


目次

第1部 免疫系を構成する役者たち
 1 免疫系の紹介
 2 免疫系の細胞,組織,器官
 3 抗体
 4 補体
 5 T細胞レセプターとMHC分子

第2部 免疫応答の様式
 6 自然免疫の機序
 7 抗原提示
 8 抗体応答における細胞間相互作用
 9 生体防御における単核食細胞
 10 細胞性細胞傷害
 11 免疫応答の制御
 12 組織の免疫応答

第3部 感染性病原体に対する防御
 13 抗ウイルス免疫
 14 細菌・真菌に対する免疫
 15 原虫と蠕虫に対する免疫
 16 原発性免疫不全
 17 AIDSと二次性免疫不全症
 18 予防接種(ワクチン接種)

第4部 組織に対する免疫応答
 19 免疫寛容
 20 自己免疫と自己免疫疾患
 21 臓器移植と拒絶反応
 22 がん免疫

第5部 過敏症
 23 即時型過敏症(I型アレルギー)
 24 II型アレルギー
 25 III型アレルギー
 26 IV型アレルギー

章末問題「重要な考察」の解答

付録
1.主要組織適合遺伝子複合体
2.血液細胞のCD抗原とその発現分布
3.主要なサイトカイン
4.ケモカインとレセプター(ヒト)

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