医学部再受験とは


大学を卒業、または在学中に他の希望する大学を受け直すことを言います。一度働き出してから受験する人が多く、そのような方は、就職に直結する大学学部を選ぶ傾向にあります。圧倒的に医学部が多く、再受験と言うと、主に医学部再受験を差すことが多いです。
再受験による合格率は、

東大理系を卒業した人が医学部再受験をすると、合格率は30%である

と言われています。

この数字を高いと見るか低いと見るかは人それぞれだと思いますが、私は、この数字はとても低いと思います。東大理系の入試レベルは地方国立の医学部に近いにも拘らず、その卒業生が一念発起して勉強しても70%の人は落ちるということです。結構厳しい現実を表していると思います。

なぜここまで難易度が高くなるのかというと、以下のことが考えられると思います。


 時間の無さ

社会人の方は圧倒的に時間がないかと思います。また、実家で親の協力を得て勉強させてもらっている方も、学費などを貯める為にアルバイトをしている場合もあります。いずれにしろ、全ての時間を勉強に費やすことの出来る現役学生と異なり、時間の制約がかなり重くのしかかってきます。

医学部合格には、国立で2000時間、私立で1000時間程度の勉強時間が必要と言われていますが、これは進学校の生徒を基準にした家庭内学習時間です。授業等は含まれていません。再受験の受験生はもっと時間を費やす必要があります。私の感覚からしますと、
文系受験生が私立医大に合格するレベルになるためには3000時間以上必要と感じています。一方で、現在は私大のレベルが急上昇していますので、その段階になれば自ずと国公立も見えてきます。ただしずれにせよ膨大な時間を費やさなければいけないことには変わりはありません。


加齢による集中力の低下

18歳の頃と比べると、何歳も年をとった現在は、明らかに自分の世界が広がっていると思います。楽しいことや悲しいこと、興味のあることなど、昔と比べると比べ物にならないぐらい増えているかと思います。勉強をするにあたっては、それらは大なり小なり障害になってきます。
私も現在勉強をしていて、そのことをとても強く感じます。

18歳の頃は自分の世界が狭かったため、ストイックに勉強することは、それほど苦ではありませんでした。しかし現在は、昔知らなかったことをたくさん知っています。飲み会とかパソコンとか好きなスポーツとか・・・・。「あれもしたいこれもしたい・・」と思うことが多くなっています。当然これは、集中力の高い方ならば大丈夫かと思うのですが、私のような人は、昔に比べて集中するのが難しくなると思います。


高齢受験者差別

大学によっては、再受験生を嫌うところがあるようです。高齢差別は特定の大学で激しく、最近では2005年の入学試験で群馬大学が訴えられましたよね。その差別は、50代半ばの主婦が合格点に達していたのにも拘らず不合格にされたという内容でした。

50代というのは少し極端な例かもしれませんが、20代でも再受験というだけで差別される大学はあるようです。噂の域を出ませんが、千葉大学、群馬大学などが再受験生に対して厳しいと言われています。事実、再受験入学者も少ないです。しかし、これは「再受験に厳しい」と言う噂が受験生を遠ざけ、それで引き起こされた結果であると捉えることも出来ます。真偽の程は大学のみぞ知るというところでしょうか。

横浜市立大学も差別の噂はありますが、ここの学生さん曰く、「全くない」とのことです。毎年再受験生は一定数入っているようです。反対に、旧帝国大学は再受験生に対して寛容のようです。また、私立大学も再受験生には優しいようです。ただ、私立は莫大なお金が掛かりますけど・・・。

再受験差別は結局のところ、噂の域を出ないというしかありません。ただ、再受験に当たっては、差別のあると噂される大学を受けるのは、かなりのリスクがあると思います。群馬大学の主婦さんのように、力があっても落とされてしまうことが実際にありますのです。医学部受験は、学力の維持にも膨大な時間が掛かります。翌年受かる保証などどこにもありません。受験校の選択は慎重にしたいですね。



[医学部受験と再受験]