アメリカ概要 †
首都 | ワシントン |
人口 | 327,830,000人 |
言語 | 英語 |
平均年収 | 575万円 |
医師の年収 | 一般医:1956万円 専門医:3162万円 |
概要 †
- アメリカでの大学医学部・医科大学は、一般的には Medical Schoolと呼ばれ、4年生大学修了後に引き続く4年間の大学院レベルと位置づけられている。
- 医学部進学のためには、Undergraduateの学業成績ばかりではなく、医師として相応しい人格・適性が厳しく問われることが大きな特徴といえる。
- 学業成績が良いことに越したことはないが、とりわけ人格面での評価も重要となる。
- 社会への奉仕精神、医療へのcommitment、責任感、人間的な温かみcompassion、性格の明るさ、チーム活動とリーダーシップなどが評価される。
- 医学部進学を希望する大学生の多くは、ほとんど例外なく学生のうちから学期中や夏休みに社会での奉仕活動(Community service)や病院や研究室でのボランティア活動をする。
- アメリカの医学部への入学は、近年の流行である東欧や中国の医学部への入学とは一線を画する。
- 他の医学部が日本よりも低価格で入試はほとんどフリーパスであるのに対して、アメリカの医学部は日本よりも難しく学費も高いのだ。
- それは当然で、世界の国々からアメリカの医学博士の称号を求めて受験し、医師としての年収も段違いだからである。
- 医師免許取得までの流れとしては、一般大学4年間+メディカルスクール4年間の構成である。
- 日本の法科大学院はアメリカのメディカルスクールに習ったものである。
- メディカルスクールへの入学は、学士号と医科大学入学試験に合格することが求められる。
- 入学試験を突破するためには、勉学以外にもボランティア活動の実績も必要となる。
- 合計8年間の教育を受けることとなり、年次としては、日本の初期研修が終わった時と同時期である。
- 東欧や中国の医学部と異なり、高校卒業後すぐに入学することができない。
- 日本の4年生大学を卒業して且つアメリカの大学に2年間以上通い、必要な単位を取得する必要がある。
- アメリカで医師免許を取るためには大学の学部で4年、そしてその間のボランティア活動などを経て、メディカルスクールで4年、インターンなどで3年がかかり、最短でも高校卒業から2年ほどの期間が必要となる。
- 高額な学費ゆえに、近年で流行っている「日本の医学部には届きそうになく、さらに高額な学費も払えないから海外に行く」パターンの渡航者との需要はマッチしないだろう。
受験 †
- 大学を卒業してすぐに医学部に行く人は半数ほど。卒業後に1年~数年以上ボランティアをしたり社会人生活をする人がいる。
- 評価項目は以下の通り。
- GPA(大学4年間の成績)
- MCAT(Medical College Admission Test つまり 医学部入試)
- Recommendation letters (推薦書3通以上)
- Research Experience / Publications(研究経験・論文)
- Volunteer Experience (ボランティア経験)
- Extracurricular Activities (課外活動)
- アメリカの四年制大学を卒業していないと受験資格はない。
- もしくは2年以上アメリカの大学に通う+受験に必須の履修科目をアメリカで全部済ませる必要がある。
- 外国(日本など)の大学を出てからアメリカの医学部に合格するという話はほとんどない。
- アメリカには医学部が120校余りあるが、その中で米国籍or永住権を持っていない外国人を受け入れているところは、30校以下である。
- 少なくともアメリカは日本の比でなく難しい。限りなく4に近いGPAを一流大学で獲得するほか、ボランティア、推薦状など。推薦状がくせ者で、下院議員や医学界の大物レベルが必要とも言われる。裕福な上流階級が独占する手段かも知れないが、アメリカとはそういう国。 -- 当サイト2017-02-20
学費 †
- アメリカにおける医学教育での最大の問題点は、医学部に入学するのが非常に競争率が高いばかりでなく、授業料も極めて高いという点である。概して一部の学校を除き、一般的に社会的に評価の高い医学部はほとんど全て私立大学であり、その授業料・寮費・実習費は極めて高価である。
- 医学部は州立大学で年間3万~4万ドル、私立大学では5万~7万ドルとなる。
- 州立のメディカルスクールの学費は安いが、自国民優先であり、日本人を受け入れていない。
- インディアナ州の大学院では、州外からの学生は550万円/年が必要であり、州内の学生は350万円である。
- 90%以上が奨学金をもらっている。
- 多額の費用が掛かるが、アメリカは医師の年収も高いのですぐに返すことができる。
- 医学部卒業時点での1人の学生の負債は15-20万ドルといわれている。
- ハーバード大学ならば授業料は年間4万2500ドルの様である。ただし、保護者の状況などで変わってくるようだ。finacial aid
- アメリカの公立医学部はほとんど外国人に門戸を開いていない。
入学手順 †
- アメリカのメディカルスクールに行くにはMCAT(Medical CollegeAdmission? Test)を受験する。
- Physical Science (化学・物理系)、Verbal Reasoning (読解・現国)、Writing Samples(小論文)、Biological Science(生物系)の4教科からなる試験である。
- MCATからの推薦状3通以上、研究経験・論文、ボランティア経験や課外活動と、MCATのスコアを学校に提出することで、1次書類審査を受けることができる。
- 合格すると学校ごとに用意されている2次書類審査を受講する。
- この審査では、学校ごとに決められたテーマでエッセイを書く必要がある。
- 面接。通過率は3割と言われている。
合格率 †
- 全米の医学部(メディカルスクール)の平均合格率は30%以下と言われている。
教育 †
- 年次別
年次 | 内容 |
1 | 医学に必要な基礎医学(解剖学,生理学,病理学,細菌学,薬理学,生化学,など)や診療に必要な Communication skillsや Ethicsの導入 |
2 | 診断学,臨床医学 |
3 | 内科,外科,小児科,産婦人科,精神科,救急などの必修科目 |
4 | は将来自分が希望する専門科を重点的に回る |
アメリカの医師の年収 †
- アメリカの医師の年収は日本の数倍である。
- 日本は1500万円~2000万円が勤務医のボリュームゾーンである。様々な統計で平均値が出ているが、日本の医師の場合は勤務先が1か所ではないので正確な統計が出せていない。この1500~2000という数値が最も現実を表しているであろう。
- アメリカの医師は診療科で収入が大きく異なる。
- 何度も見たことのある表だとは思うが、以下に診療科別の年収を記す。
順位 | 診療科 | 年収 |
1 | 心臓外科 | $52万5,000(約6,510万円) |
2 | 整形外科 | $49万7,000(約6,160万円) |
3 | 消化器科 | $45万5,000(約5,640万円) |
4 | 泌尿器科 | $41万2,000(約5,110万円) |
5 | 皮膚科 | $39万8,000(約4,940万円) |
6 | 救急医療 | $34万5,000(約4,280万円) |
7 | 一般外科 | $33万9,000(約4,200万円) |
8 | 耳鼻咽喉科 | $33万4,000(約4,140万円) |
9 | 呼吸器科 | $33万1000(約4,110万円) |
10 | 循環器内科 | $29万1,000(約3,610万円) |
11 | 神経内科 | $27万7,000(約3,440万円) |
12 | 産婦人科 | $27万6,000(約3,420万円) |
13 | リハビリ | $24万4,000(約3,030万円) |
14 | 総合内科 | $23万2,000(約2,880万円) |
15 | 精神科 | $22万6,000(約2,800万円) |
参考文献:米国で最も稼ぐ医師たち 上位15分野の年収
- 心臓外科医に関しては、実に日本の3~4倍以上である。
- 手術のできる診療科が上位に来る。内科でも手技のある内科は上位に来る。
- 日本と比較して所得税はやや少ない。46万ドル以上であれば最高税率39.6%がかかる。日本の最高税率は4000万円以上の所得に対して45%である。
- これだけの収入であれば、3000万円の奨学金も楽に返すことができる。日本の医師が1000万円の奨学金を返すようなものである。
評価 †
- アメリカで働くメリットて何があるの?
- メリットはまったくない。不眠不休ともいうべき過酷な労働環境。高い医療過誤保険。人種差別。医療訴訟。鬱で苦しみ、年間300人が自殺。じっさい、アメリカ人医師の10人中9人は医師という職業を他人にすすめてなく、できれば辞めたいと思っている。しかし、多額の学費ローンの返済があるのでやめれない。http://labaq.com/archives/51823334.html -- 当サイト2017-08-03
参考文献 †
(1)米国の臨床医学教育から学ぶべきこと:魅力ある教育環境の建設http://s-igaku.umin.jp/57-1-3.pdf
コメント †