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ハンガリー概要 †
首都 | ブダペスト |
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公用語 | ハンガリー語 |
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人口 | 9,678,000人 |
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平均年収 | $23,010 (日本は$34,550) |
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1人当たりGDP | $46,040 (日本は$54,100) |
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医師の年収 | 1360万フォリント (約598万円) |
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場所 | |
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- 大陸性気候に属する気候は比較的穏やかで、四季もある。緯度が比較的高く、冬は冷え込むが、地中海から海洋性気候の影響を受け、冬も湿潤で曇りがちである。年間平均気温は10°C前後。
- ヨーロッパ有数の「温泉大国」。ブダペストにおける温泉文化は2000年近くある。
- 言語的にはハンガリー語が優勢で、少数民族のほとんどもハンガリー語を話し、ハンガリー語人口は98%に上る
大学一覧 †
college | 設立(年) | 学生数(人) | 病床数 | 学費 |
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医学部 | 国際コース | 全学 | 医学部 | 国際コース |
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センメルワイス | 1769 | 1989 | 11898 | 4139 | 1173 | 2100 | $107,400 |
デプレツェン | 1912 | 1987 | 33000 | 5700 | 2100 | 1800 | $101,400 |
ペーチ | 1918 | 1984 | 29000 | 2600 | 1200 | 1350 | $94,200 |
セゲド | 1775 | 1985 | 30000 | 1500 | 500 | 1350 | $94,800 |
医学部概要 †
- 国土面積が約9万 km2、人口約1,000万人のハンガリーには、首都ブダペストにセンメルワイス大学、第2の都市デブレツェンにデブレツェン大学、南部のセゲドとペーチにそれぞれセゲド大学、ペーチ大学の4つの医学部がある。
- 医学部はセンメルワイス大学が1769年、セゲド大学が1775年に設立されるなど、医学部教育も長い歴史を誇る。
- 4校の医学部には、ハンガリー人を対象にした教育コースと、ハンガリー国外から学生を受け入れて英語で教育するインターナショナルコースがある。さらに、デブレツェン大学を除く3校ではドイツ語コースも設けられ、主にドイツ人学生を受け入れて教育している。
- ハンガリー人学生は、国立大学のため学費が無料である。
- ハンガリーは1980年代、外貨を稼ぐため国立4大学の医学部に英語で学べるプログラムを作った。卒業すればEU域内で働ける医師免許が得られ、現在は数十カ国から約6000人が学ぶ。大学には、年計1億ドル(約102億円)の学費が入る計算で、地元も留学生が落とすカネで潤ってきた。朝日新聞
- 海外医学部の筆頭候補であり、2000年代から多くの日本人を受け入れている。
- 医師の年収や地位は低く、人気もないため入学は容易である。
- 入学者数は2014年度は55人、2015年度は76人、2016年度は85人と増加傾向である。
- ハンガリーには4つの医学部があり、全て国立医学部である。
- 日本でいう教養課程はなく、1年目から医学の勉強を開始する。
- 1学年200~250名程度の学生数である。
- 1、2年次に留年することが多い。おそらく環境に馴染めないものが脱落する期間なのであろう。
- 1年目で50人、2年目で100人近くが留年することもある。
- 2006年度からハンガリー医科大学事務局により入学が斡旋されている。
- 「ハンガリー医科大学」という大学はないが、ハンガリーにある医学部という意味合いで使用される名詞である。
- 2013年度に初めて7人の卒業生が誕生し、1人が大学院へ、4人が医師国家試験の合格を果たした。
- 残る2人も翌年に合格をしている。2015年度は卒業生15人中13人、2016年度は14人中9人が合格を果たしている。
- 東欧の医学部には、外国人向けのコースが設置されており、授業はすべて英語で行われている。EU諸国はもちろん、アジア、アフリカなどから留学生を受け入れ、英語で医学を授け、EU共通の医師国家資格が得られるようにカリキュラムが組まれている。
出願資格 †
予備コース †
本コース †
- TOEFL(iBTで61点以上、またはPBTで500点以上)英語検定準1級程度以上あるいは同等の英語力
- 高校卒業程度の理科系3科目(生物・化学・物理)の英語での理解と知識
入学試験 †
- 2018年度の日本人のハンガリー医科大学事務局への応募者が265人に対し合格者は80人であった。
予備コース †
- 書類審査
- 筆記:英語、生物、化学、物理(日本語か英語)
- 面接
- 筆記審査10:00~13:00、面接審査13:30~(約20分)
本コース †
- 予備試験に準じた1次試験
- 2次試験:小論文、英語40問、医療英語20問、生物20問、化学20問
- 英語での口頭試験
試験の流れ †
予備コース †
年 | 月 | 内容 |
-1 | 8月 | 仲介業者の試験開始 |
0 | 4月 | 仲介業者の試験終了(10回) |
9月 | 予備コース入学 |
+1 | 4月 | 大学受験:ハンガリー国内、月に1回あるため、複数回の受験が可能 |
6月 | 大学受験終了 |
9月 | 医学部入学 |
- 出願書類は試験日の10日前に締め切り
- 8月から翌年4月にかけて10回の試験が行われる。いずれかを受験する。
実際の状況 †
- 説明会参加者が年間約500から600人。その中から実際に出願するのが約200人。合格枠は、予備コースへの入学80人、本コースへの入学20人の合計100人です。予備コースを含めると、入試の倍率は約2倍ということです。
- 予備コースから本コースに上がる試験の合格率は約9割です。ここで合格できない学生はあきらめたほうがいいと、経験上いえます。予備コースを複数年重ねて合格したケースはほとんど見たことがありません。
- これまでの実績では、1/3がストレート、1/3が留年を経験、1/3が途中で脱落、卒業率は約50%といったところです。
- 3年生から4年生に上がるときに、ハンガリー語の試験があります。これがどれだけ難しいのか、私も最初のころは心配だったのですが、杞憂でした。内容はごく簡単で、ここでつまずく学生はほとんどいませんでした。
参考文献:日本の高校からハンガリーの医学部へ
生活費・学費 †
ブダペストの物価は東京と同じくらいである。
- ランチは1,600円
- ディナーは4,100円
- ビール500mLは170円
- ワンルームは月7万円〜9万円
参考文献:Numbeo
学費は日本の国公立医学部より高いが、私立医学部よりは安い。年間約237万円〜273万円である。
- センメルワイス大学は年間$18,200
- デブレツェン大学は年間$16,900
- ペーチ大学は年間$16,750
- セゲド大学は年間$15,800
授業 †
- ハンガリーの医学部は各学年が終わるごとに病院実習の義務がある。
進級 †
- 留年しないで卒業までたどり着けるのは全体の3分の1に過ぎない。膨大な勉強量と頻繁な小テストに加え、英語のハンディもある。とりわけ基礎科目を履修する最初の3年間が難関で、センメルワイス大では昨年、2年生247人のうち、4割近くが留年した。朝日新聞
- センメルワイス大学医学部における日本人学生の成績
学年 | 学生数 | 成績(5段階) |
1 | 20 | 3.13 |
2 | 22 | 2.51 |
3 | 10 | 2.99 |
4 | 9 | 3.62 |
5 | 10 | 4.10 |
6 | 6 | 3.75 |
- 日本人学生の2014年から5年間の4大学平均進級率は、1年生から2年生が約60%、2年生から3年生が55%、3年生から4年生が57%、そして4年生以降は約90%である(3)。
- セゲド大学において、1年生は約200人。3年生になるまで少しずつ減少していき、4年生になると約70人になる。
- (3)の筆者が入学した際、14人の日本人が同じ学年にいた。しかし、5年生までストレートで進級したのは3人のみ。留年が5人、退学が6人。
卒業生成績 †
年 | 卒業 | 国試受験 | 国試合格 |
2019 | 20 | | |
2018 | 20 | 25 | 17 |
2017 | 19 | 23 | 13 |
2016 | 16 | 21 | 15 |
2015 | 13 | 14 | 9 |
2014 | 13 | 15 | 13 |
2013 | 7 | 6 | 4 |
計(2018まで) | 88 | 104 | 71 |
- 8月卒業→翌年の2月に国家試験を受験
- 卒業数<国試受験数となっているのは、国試浪人が含まれているため。
- 国試合格率に関しては大健闘である。
- 母集団(入学者)はどれだけなのか。
参考文献 †
(1)日本の医学部に合格せずとも、優秀な医者になる「裏技」があった
(2)ハンガリーの医学部における医学教育
(3)ハンガリーの医学部進学、本当に最善の選択か?
コメント †