医学部と地域
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土地と大学 †
- 北信越地方とは、北陸3県(富山県、石川県、福井県)と信越地方(長野県、新潟県)を合わせた地域。北陸地方300万人、信越地方420万人、北信越で計約700万人を要する。首都圏(1都7県)約4400万人、関西圏で3500万人、東海地方1150万人と比較すると人口規模としては見劣りする。
- 北信越という区切りは主にスポーツ大会で用いられる。北陸と信越で区切ると人口が少なくなるため、便宜上「北信越」とする。実際には、北陸−信越間の文化的な交流や地理的なつながりもなく天気予報では「北信越地方」と区切られることはない。
- 東京、大阪、名古屋といった三大都市圏に囲まれており、非医志望の優秀層は都市圏の旧帝大や早慶を志望する。
- 一方で医学部は新潟、金沢という名門校が存在し、北信越の受験生の標準的な志望校となる。この2校は旧帝国大学医学部レベルの学力でありながら、敢えて志望する地元志向の受験生も一定数存在する。
医学部 †
- 人口規模としては東海地方1150万人の2/3であるが、東海地方と同様に国公立医学部を5つ有する。首都圏4400万人に対して国公立医学部7校であるため、北信越は国公立医学部に恵まれた土地。下手に他地域の医学部を狙って失敗するよりも、地元の手近な医学部を狙ったほうが功を奏しやすい環境。
- 医学部は旧六医科大学の新潟大学医学部、金沢大学医学部が存在する。北陸-信越間での交流はなく、新潟医の合格者は新潟県、金沢は北陸が中心だ。
- 旧六2校で満足できない最優秀層は、富山県、石川県→東京、福井県→京都府、大阪府方面へ出ていく。
- 新制八医科大学の信州大学医学部も地元では一定の人気がある。
北陸地方 †
- 北陸3県は金沢大の独壇場である。
- 石川には常勤医が100名以上在籍する大病院が少ない。その人口規模や、県内での金大病院の圧倒的なブランドのためと考えられる。
- 以前は富山大学医学部にも多くの金沢大出身の教授がいたが、その影響力を弱める風潮があり、今では少ない。ただし現在も市中病院は尽く金沢大の関連病院である。
- 福井は金沢大だけでなく、京都大学医学部の影響も大きい。現に、福井大学付属病院は京大出身者が多い。市中病院も京大関連が散見するものの、中核病院は金沢が優位だ。
- 私立の金沢医科大学に関しては、創立時から金沢大学医学部の支配下にある。現在でも教授の30%、理事に至っては半数以上を金沢大学医学部出身者が占める。
信越地方 †
- 信越地方は山梨県を加えて甲信越地方と呼ばれることが多い。関東・甲信越地方として扱われる場合もある。この2県(あるいは3県)は日本の中で最も地域区分が曖昧だ。
- 新潟医は、隣県の群馬大学医学部や福島県立医科大学、さらには琉球大学医学部に影響力があるとされる。現在では各大学における教授数は多くないが、県内では根強いブランドがある。
- 信州医は新八であり、県内の病院を手堅く押さえている。
補足 †
- 北陸の人口は、石川県113万人33位、富山県103万人37位、福井県76万人43位である。その一方で私立の金沢医科大学を含めると、4校もの医科大学がある。従って、北陸は最も医学部受験の成功率が高い。
- ただし、北陸受験生の学力は全国トップクラス。他地域の医学部志望者が舐めてかかると痛い目を見る。
- 北陸3県の東大合格率は際立っている。これら3県は、文科省が小6と中3を対象におこなう全国学力テストでは以前から常に最上位。2018年の同テストでは、正答率で石川がトップ。2位に秋田を挟んで、3位福井、4位富山という結果だった。
- 北陸3県は裕福な家庭が多い地域。総務省が行った調査では、子育て世帯年収では福井が東京に次ぐ2位。富山が5位、石川が6位と続く。収入と教育の相関はよく言われており、それが高い学力に繋がっている。
- 長野には佐久総合病院、諏訪中央病院、相澤病院など、全国的に知名度の高い臨床研修病院が多く存在する。長野は男女とも長寿の県と知られており、健康を支える病院の質の高さを物語っている。従って、研修の質も同時に高くなる
- 2016年都道府県別幸福度ランキングでは、北信越の県が上位を占める。
他地域 †
北海道の医学部
東北地方の医学部
首都圏の医学部
東海地方の医学部
関西圏の医学部
中国四国地方の医学部
九州の医学部
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