数学問題集の選び方総論

 医学部受験の肝となる科目と思われる。細かな勉強法は色々あると思うが、問題集に関してはある程度王道が決まっている。網羅型の問題集を1冊こなし、1対1対応の演習、余裕のある人はさらに1ステップでやさしい理系数学へ繋げるという手順である。問題集の質もいいし、これで概ね問題ないのではないだろうか。以下私見。

 世界史?生物などの暗記科目では難しい問題集に手を出してもごり押しでやりこなすことができ、成果も上がるが、数学はその限りではない。数学では自身のレベル以上の問題集を使用すると問題の要点が分からなくなるため、大変効率が悪い。例えば、数学の偏差値が50程度の受験生が無理して1対1対応の演習に手を出すのは好ましくない。問題が何を求めているか、どのような手順でどういった解法を使うのかということを明確化できないため、暗記数学という名のもとにごり押しで覚えても、全く同じ問題にしか対応できない。
 数学には、学習を進めて初めて分かるポイントとというものが存在する。レベルに合ってない問題集を使うとそれがわからず、演習の効果を十分に得ることができない。演習の効果を最大限に得るためには、少し簡単かなと思えるような問題集が最も適している。

レベル別選び方

偏差値40〜

 昨今は数学の初学者向けの解説書が充実していて、どれを選んでも外れはないと思う。本当に0から始める人は、高校これでわかる数学がいい。数学の参考書の中でも最も初学者向けのものとなっている。少し授業を受けたことがある程度ならば白チャートがいい。センターを意識した作りに改定されており、独学で進めていけるようになっている。問題数も多く、必要問題を解けるようになったら、これだけでセンター試験レベルまで上昇できる。マセマの元気が出る数学?馬場・高杉の合格!数学は表紙で敬遠されがちであるが、内容は素晴らしい。ただ、両方買うと資金の面でも時間の面でも効率が悪くなってしまうため、レベルに合わせてどちらか一方にすることが望ましい。これらの問題集をマスターできたら、一つ上のレベルの網羅型問題集に手を出していこう。

偏差値55〜

 網羅型問題集と重点強化型問題集を最低1冊ずつこなしたい。網羅型問題集では、解説の分かりやすさや問題の質を考えると1対1対応の演習がおすすめであるが、青チャートの例題を解くやり方でもいい。大学への数学はいい問題集だと思うが、受験のテクニックにこだわらず、高校の範囲を逸脱する場合があるため、万人にお勧めできるものではないと感じる。
 網羅型を3周以上した後は重点強化型の問題集で、さらなる学力向上、苦手分野の潰しなどを行う。やさしい理系数学理系数学の良問プラチカは医学部受験生に馴染みの深いもので難問を解く力を身につけることができる。ハイレベル理系数学以上の問題集は、理科3類受験者レベル以外は手を出す必要はないと感じる。苦手分野強化に関しては細野真宏の数学分野別受験数学の理論があるが、「細野数学」の方が受験テクニックを意識した作りになっており、分野別受験数学の理論の方は、数学の本質・原理を追求した作りになっている。
 個人的には、荻野の天空への理系数学は代ゼミネットと併用するとかなり分かりやすく、ハイレベル問題を独学するのに最適だと感じているが、筆者の個性が強いため好みが分かれると思う。
 センター試験に関しては、数学はきっちりとした対策が必要である。チャート式センター試験対策数学1A+2Bをやって過去問を5年分解いておく。

数学の勉強法

 医学部を再受験した際、数学には最後まで悩まされたため気のきいたアドバイスをさせていただくことはできないが、「全くできない状態」から「少しはできる状態」になれたので、その経験を踏まえて記載させていただく。

簡単な問題で問題の意図、論理構造を把握する。
問題演習は、暗記型と熟考型を使い分ける。

 数学が全くできない10代の頃の受験時は、解答を完全に丸暗記していた。つまり、論理性が全く欠けていたため、応用を利かすことができなかった。さらに悪いことに、使用していた問題集が自分に合っていない難しいものであったため、覚えた問題を他の問題に応用することなんて不可能であった。その問題すら消化できてないので、応用なんてできないのは当たり前のことであるが、当時はそんなことに気づかなかった。当時で数学の偏差値50に到達するかどうかというレベル。
 再受験時は数学のブランクがあり、2次方程式すら忘れていたため、基礎レベルの復習から始めた。問題集は黄チャート(例題のみ)を使用し、丸暗記にならないように「なぜこのような答えの導き方になるのか」を意識しながら進めていった。簡単な問題であるため論理構造をしっかりと追うことができ、記憶にも残りやすかったし、他の問題への応用も利かせやすかった。

 基礎が固まったら、1対1対応の演習青チャート(例題のみ)に移ったが、黄チャート?と同様に論理構造を意識しながら以下の要領で解いていった。(演習の量が多いのは、高校生のように学校で授業を受けていないこと、5年以上のブランクがあったことによる。普通の受験生はこんなに網羅型の問題集をする必要はない。)

1〜2周目は暗記に徹する(わからなかったら答えをすぐ見る)
3周目以降は自分で解答を導き出せるまで考え続ける。
完全に論理構造が理解できる問題は解法が思いついたらその場で答えを見る
少しでもあやふやな問題は手で解答を書き、問題点を明確化する。
△覇海出せなかった問題はノートに解法を丸写しし、定期的に見直す。

 個人的には△最も役に立った。暗記に徹しすぎていると、覚えた解法を使うアウトプットの頭ができ上がらない。似たような問題が出題されても答えを出せない人は△領習が足りない。一つの問題に対して1時間も2時間もあれこれと思考をめぐらすことで、解法が瞬時にアウトプットできるようになり、2時間で1問しか解いてなかったとしても、それは絶大な勉強効果をあげている。ただし、△粒惱法に取り組むためには一通り数学の解法をマスターしたうえでないと厳しいため、1対1対応の演習の例題ぐらいは暗記しておこう。私は、1対1対応の演習の例題は暗記材料に使い、演習題は初見で答えが出るまで考える問題として使用した。暗記と熟考をうまく使い分けていくことで、数学の力は伸びていくように思う。

コメント欄より

  • 駿台の偏差値は、扱いにくいため、ここでは河合塾の偏差値を使うとする。国公立大のみに着目すると、2.5刻みのランキングで、最高値の「72.5」が理3と京医のみ、その1ランク下の「70」が阪大と医科歯科のみ。(実は、名大と千葉が入ってるが、ここでは67.5側に移行させてもらう。そもそも、この2.5は誤差といえるほど曖昧なものではあるが、目安として有効。)そして、その下の「67.5」が理一や理二、九州大、東北大、名大、千葉など。ここで、【感覚的には】「72.5」の大学にはいるためにはハイ理(新数学演習)まで、「70」の大学に入るためにはやさ理(スタ演)、「67.5」の大学に入るためには1対1まで、という感覚で俺はいる。問題がどうこうではなく、合否が分かれる偏差値(C判定が出る偏差値)がこの値なのだから、これは、かなり正確だと思ってる。受験者層を考える事が大事。合格者の使ってる参考書などを多く見てきて、強く確信してる。大分大医学部などの数学は難しく、3割で合格できるが、大分大学医学部の偏差値ランク「65」に入ってる。ので、「1対1ぐらいまでで"合格"できる」のである。7割型の問題は「解けなくていい」のだから。「過去問として赤本にのっていようが何だろうが、解けなくていい」問題が7割分占めてるのだから。もちろん大分大学の数学で「8割」を取ろうとすると「やさ理、ハイ理」まで必要になるが、「合格するため」には不要なのである。大分大学医学部の偏差値は「70」や「72.5」ではないのだから。
    • 1対1を完璧にした上で解けない(1対1のパーツを応用したり組み合わせたりしても解けない)問題は「他の人間も絶対に解けない」。断言できる。せいぜい4、5人程度。解けても。だから合否の分かれ目になってない。ようするに、「1対1」なり、「やさ理」に載ってる問題だけ「血肉化(自在に変形したり応用したりできる状態)」にして、試験会場に座ればいい。それ以上の事を出来る人間なんて存在しないんだから。「勉強法」的に。
  • 「○○大学受かるならこの参考書」って考えは数学に関してだけ言えばとても危険だよ。問題文の与えられた文字が1つ違うだけで全部やり方が違うのが数学。式変形の仕方も全部変わる。臨機応変な対応力が試されるわけであってハイレベルな問題集をどれだけこなしたかではない。同じ問題が出るなら是非ともやるべきだとは思うが。
    • いわゆる「1対1の血肉化」というものですね。1対1に載ってる問題だけで、それを自在に操れるようになれば、大半の大学には対応できる、ということでしょう。ですが、どう考えても「1対1をいくら完璧にしても足りない」という大学は存在するのです。それが「明らか」なのは理3京医などです。
    • どういうルートで進めれば「最も合格する可能性が高いか」を【死ぬ気で】考えるのだ。俺の結論は、「黄チャ→1対1」がベスト。慶医合格者や旧帝医合格者など、色んな人に聞いてもこれに同意してる。「俺は青チャ→1対1とやったけど、今思えば非効率で、黄チャ→1対1がベストだと思う」との声ももらってる。超難関を目指すなら、これにプラスでやさ理。これが、あらゆる「素質・性格」などの抽象度の高いものを跳ね返すだけの「合格するために必要な数学力を身につける勉強法」の中で最も理想的であると俺は「確信」してる。ここまで仕上げて、あとはチョロチョロっと過去問対策をすればいい。時間配分なりなんなりと。俺は自分の選んでる参考書(黄チャや1対1ややさ理)に、こういう絶対的な確信があるから絶対に俺はブレない。これより「ベター」な勉強法が存在しないと確信してるため、必然的に合格する。あとはこれを実行しさえすればいい。

数学の問題集一覧

コメント

最新の50件を表示しています。 コメントページを参照

  • 藤田とか、青チャートの練習問題から、ほぼ同じ問題出てる、。東邦は総合問題から。 -- 2012-04-08 (日) 00:12:54
  • 管理人は、数学の勉強を完成するのに、どれくらい時間がかかりましたか? -- 2012-10-23 (火) 22:21:58
  • センター数学対策は、東京出版の”センター試験必勝マニュアル”をすべき。(必勝トレーニングは難易度がセンターにあっていないため不要。) あとは、マーク式問題集をひたすらこなすべし -- 2013-01-02 (水) 15:24:54
  • 一通り解き終わったら大学入試数学電子図書館で過去問解きまくるのもいいかと -- 2013-03-10 (日) 20:53:23
  • 医学部攻略の数学も良いよ -- 2016-03-28 (月) 02:32:09
  • 駿台の理系標準問題集数学、オヌヌメ -- 2016-11-25 (金) 11:15:31
  • suugaku.jpとかで過去問題を解く。これかなりオススメ -- 2016-11-30 (水) 17:36:31
  • 福岡で浪人する人で、数学苦手な人は是非EDINAのT先生を訪ねてほしいです。 -- 中道? 2017-03-17 (金) 23:56:03
  • すみません。書き直します。まず、『初めから始める数学』(マセマ)と『数学基礎問題精講』(旺文社)を7周し、次に網羅系のフォーカスZ(啓林館)をやり、最初に出来なかった&知らなかった問題のみ5回復習しました。その上で、1対1対応(東京出版)とやさしい理系数学 (河合塾)をこなしました。私は非常に要領が悪く、数学も苦手だったので、数学が苦手な皆様のお役に立てると幸いです。(なお、上で誤って2回投稿してしまいました。申し訳ありません。管理人様、大変すみませんが、削除をお願い致します...。) -- 一応理系です...? 2017-09-01 (金) 00:31:53
  • 苦手対策なら分野別の参考書がオススメです。問題量もそんなにないのでコスパが良いです。 -- 2018-01-20 (土) 19:43:45
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