基本的に生物は暗記科目といわれる。しかしこの「暗記」を英単語や漢字のようなノリの「単純暗記」と解釈してしまうと成績がまったくあがらないのである。
生物の暗記は基本的に「流れの暗記」である。生物は目の前に起きている事象一つ一つにエラい人が後付けで名前を与えている。そのためその語が意味する定義や事象を正確に説明できないと、用語を覚えたと言えない。事象のあらまし=流れ、を理解して、それについての簡潔で十分な説明ができてようやくその用語を覚えたことになる。用語がさす事象の流れや定義を人に説明できるまで暗記することが非常に重要であることを忘れてはならない。
また生物を暗記科目だと思って勉強していると、ぶち当たってしまう大きな壁が考察問題である。考察問題はある事象に対して与えられた情報から解釈できることをもとに、結果などを推測して答えさせる問題であり、生物の知識というより、事象に対する論理的な解釈ができるかどうかを試している。この対策をどうするかについてだが、基本的な姿勢として以下の考え方を持ってほしい。
大体の考察問題には、ながいリード文がある。まず行うべきは、リード文の重要な情報に下線部を引いて、それをかいつまんでメモに起こしたり、実験の説明があればそれを絵で描いてみることである。こうすることで情報がクリアになり、把握しやすくなる。ごく当たり前のことかと思われるが、問題が解けていない人の中にはリード文に書き込みがなくまっさらな状態である人も多いので、やはり考察問題にあたってはこの作業を徹底して行うべきである。
考察問題は大学レベルの生物、最新の実験などをもとに作問した問題もある。しかしそのような高度な内容としても、下敷きとなっているのは高校レベルで学ぶ生物の知識だったりすることが多い。まず情報を整理、可視化した後、自分の知っている知識と比較して情報を解釈するとわかることが多いため、積極的に当てはめてみることを勧める。
以上まで高校生物の基本的な学び方であるが、受験においては生物にも他の科目同様典型問題が存在する。特に尿計算や光合成速度など計算が絡む問題、遺伝問題が当てはまる。こういった問題は基本的な問題の解き方を知っていると太刀打ちできる場合が多い。大森徹の生物解法はこのような問題が充実しており、マスターできれば大きな得点源となるので是非とも演習したい。
生物の問題集を選ぶ際の一番の障壁は「良い問題集が少ない」ということである。センター試験までなら対策本はある程度存在するが、国立2次対策ができる問題集はほとんどないない。生物は暗記科目であるため、問題集に一定の問題量や知識量が求められる。しかし、そうした膨大な知識量をアウトプットできる問題集がないのである。評判の良い理系標準問題集生物ですら161ページ161問しかない。これでは医学部や難関国立理系は無理である。
では、生物の難関大対策は独学では無理なのかというとそうではない。全国大学入試問題正解生物という大量の問題が掲載された問題集が存在するため、これを中心に使って攻略することができる。初学者がいきなり使うのは厳しいため、それに至るまでにある程度ステップを経ていく必要がある。
生物I・IIの点数が面白いほどとれるから始める。生物は暗記科目なので他の理系科目のように順を追っていく必要性は低い。そのため、いきなり生物I・II基礎問題精講ぐらいから始めてもかまわない。答えを見ながら暗記していけばいいだけの話である。
解説書(田部眞哉の生物or大森徹の最強講義117講生物)も用意するが、これを一から読み進めていくのはいささか効率が悪いため、暇があったら眺める程度にしたい。どのあたりが重要かが理解できるまで学力が上昇したら読み進めていってもかまわない。
全国大学入試問題正解生物に移るまでに、2〜3冊基礎から標準の問題集をこなしたい。
以下の4冊をそろえる。
”現爛譽戰襪量簑蟒1冊
全国大学入試問題正解生物
2鮴盻顱田部眞哉の生物or大森徹の最強講義117講生物)
視覚でとらえるフォトサイエンス生物図録
標準レベルの問題集は問題数はそれほど多くなくていいので、理系標準問題集生物のような解説が詳しいものを用いて知識の整理をしていくために使う。全国大学入試問題正解生物に移るための準備である。
全国大学入試問題正解生物は、このシリーズ(大学入試問題正解)の中で最も使えるものであり、生物問題集の中で最高のものである。生物の勉強はこれを中心にしていく。膨大な問題量をストックすることで、どこの大学にも通用する学力を身につける。このシリーズは、解説は期待できないが、暗記科目の生物ならばそれは問題ない。律義に全ての大学をやる必要はないが、3周もすれば医学部入試でもアドバンテージを奪えるぐらいの学力が付く。
解説書は、全国大学入試問題正解生物の補助として使う。解説不備により分からない問題がたまに出てくる。そういったところや気になった問題の周辺知識を解説書で調べるのである。以前は田部眞哉の生物が最高峰の解説書であったが、現在は大森徹の最強講義117講生物というそれを上回るものが発売された。田部眞哉の生物でも難関医学部の範囲をカバーしているため、どちらを買っても失敗することはない。
生物は暗記科目であるが、遺伝、計算問題は論理的思考力を問われるため苦手にする受験生が多い。そういった場合は、大森徹の生物解法を使用するといい。遺伝の解法は目からうろこである。
医学部や難関国立受験生は過去問を解く程度で十分。傾向が違うといっても圧倒的に知識量が違うので、余裕で満点を狙える。ただ、実験器具の問題だけは気をつけておきたい。足元をすくわれる可能性もある。
文系でセンターのみで生物が必要な場合、80点を取りたければセンター試験生物Iの点数が面白いほどとれる本か大森徹のセンターはこれだけ!生物1を読みながら過去問を7年分解く。2週間で過去問暗記、上記の本を3周以上やれば8割はいくだろう。それ以上とりたければ田部眞哉の生物を使う。要はこの本を全部アウトプットできれば満点なわけだけど、なかなかそううまくも行かない。これを読んで過去問を同じように解けば9割ぐらいはとれる。その間1カ月。
センター生物で注意するのは、遺伝、実験考察問題だけである。遺伝はパターンを覚え、実験は器具、主要実験(呼吸商、植物育成と太陽光の実験等)を暗記する。0から考察させるような問題は出ない。
上に書いたように、全国大学入試問題正解生物をやればかなり力がつく。というより、どの大学でも大丈夫。ただ、分量が多いため、しっかりと暗記しなければいけない。そのためには以下の手順を踏む。
1日2大学解く
大森徹の最強講義117講生物を見ながら答え合わせ。
´△婆2時間
翌日30分で2大学を復習。
1か月で40大学を目安に進め。40大学進んだら間違えたところのみを軽くでいいから1〜2時間で復習。
以上の手順を踏むと80大学(1冊)を2カ月で終わらせることができる。律儀に全てやる必要ないが、8割程度の大学はこなしたい。1周しただけで相当量の知識がつき、大森徹の最強講義117講生物もかなり読み込むことができる。また、実験の基本が理解でき、初見の実験問題にも強くなれる。
あと、難関校では具体的な数値をノーヒントで書かせる問題も出てくる。大学受験生物で覚えなければいけない数値?をしっかり覚えておこう。
#tvote("標準問題集[6]","基礎問題精講[5]","大森の最強講義問題集150問[5]","生物宜膤複隠械耕筺Ν狭膤複隠械殻[4]","全国大学入試問題正解[3]","セミナー生物[1]","トライアル[1]","河合塾 生物T 基礎シリーズ 完成シリーズ 演習[1]","駿台予備校 Sテキスト 全4冊[1]","生物��の総演習[1]")
※項目に無い問題集は、その他から追加できます。
分類 | 生物問題集 | 対象偏差値 |
解説書 | 田部眞哉の生物 | All |
大森徹の最強講義117講生物 | 50〜 | |
問題集 | 生物I・IIの点数が面白いほどとれる | 40〜55 |
生物I・II基礎問題精講 | 45〜55 | |
理系標準問題集生物 | 55〜65 | |
大森徹の生物解法 | ||
生物重要問題集 | ||
お医者さんになろう医学部への生物 | 60〜75 | |
全国大学入試問題正解生物 | 60〜80 | |
センター対策 | 大森徹のセンターはこれだけ! | 45〜55 |
センター試験生物Iの点数が面白いほどとれる本 | 45〜60 | |
図説 | 視覚でとらえるフォトサイエンス | All |
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