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福岡県 †
- 概要
人口 | 5,108,038人 |
人口密度 | 1,024人/km2 |
面積 | 4,986.52km2 |
県庁所在地 | 福岡市 |
高校 | 166校:公立106校、私立60校 |
学区 | 13学区 |
- 人口
位 | 都市 | 人口総数 |
1 | 福岡市 | 1,463,743人 |
2 | 北九州市 | 976,846人 |
3 | 久留米市 | 302,402人 |
※2010年
- 福岡県には29市、29町、2村があり、これら60市町村は地理的、歴史的、経済的特性などから、「北九州」「福岡」「筑後」「筑豊」の4地域に分けられている。
- 福岡県の人口は約511万人で、全国の都道府県中9位である。
高校の序列と事情 †
- 福岡県の高校においては、基本的には公立高校優位ではあるが、強力な私立高校も存在し、まずまずバランスの取れた情勢となっている。
- 学業に加えて高校生活を楽しみたい人は公立へ、受験専念の人は私立へといった住み分けは一応ある。
- 福岡県の高校には、福岡県固有の保守性が根付いている。それは、細分化された学区制と朝課外である。学区は13に分けられ、福岡市をカバーする4,5,6学区には新学力の高い公立高校が存在する。
- その並みいる公立校を抑えて福岡県の頂点に立つ高校は、私立の久留米大学附設高等学校であり、近年の実績は目覚ましい。2010年頃もトップ校ではあったがあくまで福岡県ローカルの存在であった。その後徐々に成績を伸ばし、2021年現在、九州1位、全国レベルと言ってもいいところまで実績を伸ばしてきている。
- 附設に次ぐ2番手は福岡公立御三家であり、修猷館高等学校、筑紫丘高等学校、福岡高等学校の3校である。修猷館が抜けて、筑紫丘、福岡と続くが、福岡でも東大+国公立医学部に20名ほど輩出しており、どこの県へ行っても恥ずかしくない実績である。
- これらのトップ公立校の併願、滑り止め的な立ち位置が九国大付属、福岡大濠と言った私立高校の最上位クラスである。
- 公立高校の序列は修猷館>筑紫丘>福岡>>明善、東筑、小倉>城南ぐらいのイメージ。結局は学区内の生徒の質に比例している。
- 福岡県の公立高校は上述の通り中学区制が敷かれており、突出校が出ないようにしてはいるが、御三家の実績は十分すぎるほどである。
- 医学部志望者の多くは久留米大学附設高等学校に吸収されるため、福岡県の公立高校の医学部志向はかなり低い。
- 福岡県において医学部進学率が特に高い高校は、久留米市の久留米大学附設高等学校、北九州市の明治学園高等学校である。
公立高校制度 †
- 1973年度の中学区制度導入時は15学区だったが、2003年度に旧第十一学区・十二学区(現第十学区)が、2007年度に旧第二・三学区(現第二学区)がそれぞれ統合され、2010年度に学区名が現在のものに変更になっている。
- 1999年度より、受験生の個性を重視した入学選抜を推進する観点から専門学科、普通科の特色あるコース・系において、調査書における「特定教科の加重評価」および学力検査における「特定教科の加重配点」を導入している。
- 福岡県の公立高校には全国屈指の厳しさと言われる細かい学区制が敷かれており、全県から受験できる大阪府の北野高校や熊本県の熊本高校のような優秀層が一極集中する公立高校が出現しない要因となっている。
- 福岡県では毎年、公立高校の受験概要などを「展望」という資料として公開している。
- 福岡県の全日制普通科の公立高校では、自分の家から通学できる範囲の学区にのみ進学できる通学区域に関する規則が定められている。
- 国語・数学・社会・理科・英語、各教科の配点は60点であり、問題は共通。
東大合格者(公立) †
年 | 修猷 | 筑紫丘 | 福岡 | 明善 | 小倉 | 東筑 |
2021 | 18 | 8 | 6 | 1 | 3 | 4 |
2020 | 16 | 9 | 5 | 0 | 5 | 4 |
2019 | 11 | 5 | 3 | 0 | 3 | 1 |
2018 | 19 | 6 | 7 | 2 | 3 | 5 |
2017 | 14 | 10 | 2 | ? | 8 | 0 |
九大合格者数(公立) †
年 | 修猷 | 筑紫丘 | 福岡 | 明善 | 小倉 | 東筑 |
2021 | 99 | 108 | 81 | 47 | 53 | 46 |
2020 | 126 | 106 | 100 | 67 | 42 | 60 |
2019 | 126 | 110 | 102 | 55 | 66 | 54 |
2018 | 129 | 105 | 91 | 47 | 53 | 73 |
2017 | 133 | 110 | 126 | ? | 64 | 59 |
公立高校の学区 †
- 福岡県の公立高校は決められた学区内の中学校からのみ受験可能となっている。
- 県内1~13学区まで分かれており、現在これほどまでに細分化された学区は全国でも珍しい。
- 厳しい学区制度により、優秀層が一極集中する公立の突出校が出てこない現状がある。
- 学区の撤廃を求める声は昔からあるが、県教育委員会は学区を維持する姿勢を崩さない。
- その理由として県内の優秀層が修猷館に集中し、筑紫丘や福岡といった2番手以降の高校が衰退してしまう懸念があるからである。
福岡市の高校 †
- 福岡市は第4.5.6学区となり、学区ごとのトップ校と2番手校は以下のとおりである。上述したが、この3学区のトップ校がそのまま県のトップ校であり、公立御三家である。
- 実績比較
学区 | 高校 | 東大 | 京大 | 九大 | 慶應 | 早稲田 |
4 | 福岡 | 3 | 10 | 102 | 6 | 19 |
香住丘 | 0 | 2 | 21 | 0 | 0 |
5 | 筑紫丘 | 5 | 18 | 110 | 12 | 11 |
春日 | 0 | 0 | 25 | 1 | 5 |
6 | 修猷館 | 11 | 18 | 126 | 17 | 16 |
城南 | 0 | 0 | 34 | 0 | 6 |
※2019年
- トップ校と番手校では進学実績は天と地ほど違い、副将は大将の右腕にすらなれていない。トップ校を諦めた受験生は私立高校に吸収され、番手校にはその不合格者が入学する。「組織のカギは副将が握る」と有名書籍に記載されている通り、公立高校の躍進には番手校の成長が必要である。
- 九州の他県であればこれほどまでに1-2位の差は開かない。例えば熊高と済々黌であれば、2番手校からも東大京大は合わせて10名程度は出る。その下地として、福岡県とは異なり公立主義の土地柄であるため、公立高校の序列が密であることがあげられる。福岡県の場合は、公立、私立、公立といったように、公立高校の序列の中に私立高校が入り込んでいるため、公立高校だけを抜き取ると序列が疎になるのだ。
- 進学実績も入学偏差値も、4<5<6となる。
- 福岡地区2番手校は、福岡市の人口膨張で普通科高校の収容人員不足に対処するためにできた。第二次ベビ-ブ-ム世代高校。創立年は 春日:1978年、香住丘:1985年、城南だけはもうちょっと古く1964年。伝統校らしい戦前から継承されていた学校文化、昔からの地域からの熱い信頼、卒業生の人脈や地域社会(政財界)でリ-ダ-となっている卒業生、力がある同窓会、県教育委員会の教員人事、母校の後輩を熱心に見守る卒業生である伝統校の教師達といったものがないか、非常に薄い。
- 学区2番手はとにかくスパルタ、詰め込み教育。それと波長があってなんとかこなした最上位の子が九州大進学。でも実は九大の学部、学科をみると、難しい所はすごく少ない。医学科ほぼ皆無。歯薬には少ない。理学部数学科、物理学科、工学部の昔の航空工学科や電子、情報系。文系の教育学部、法学部、こういったところに進むのは少ない。
朝課外 †
- 九州地方、特に福岡県で習慣化されている朝の課外授業である。習慣化された背景には、新設校の旧設校に対しての対抗措置として開始された。修猷館や筑紫丘などの伝統校は敷地内に予備校的な施設があったのに対して新設校はない。じゃあ授業時間を増やすしかないとなったのだ。
- 朝課外は、午前7時半ごろに始まり45分間程度。全国では一般的ではないが、福岡県を中心に九州では定着している。福岡では遅くとも1970年代に始まったとされ、多くの高校で「伝統」として続いてきた。本来は任意であるはずが「必修化」し、正規の授業をする高校もあることが問題視されている。これで学力の底上げができているのかというと、なかなかそうは思えず、東大合格者数も減ってきているし、全国学力テストの成績も中位である。
- 福岡県の場合は伝統を重んじる傾向が大変強いため、朝課外も伝統継続のためにやっているという意味合いが強いのであろう。
- 福岡ではかつて全ての公立高校で行われていたといい、今も全体の6割を超える60の高校で実施されている。多いところでは週4、5日程度行っている。
- 費用は授業とは別に生徒側が負担する。週3日・5教科で月1000円ほど。費用は先生への手当となる(※教員は兼業届を提出)。
- 朝早く通学させられた上に金まで払わされて無駄すぎる。
- 学校によると、全校生徒の7割が朝課外の参加を希望しているというデータもある。ただ、こうしたデータには学校側の都合のいい解釈が含まれていると思われる。7割の生徒が希望しているのであれば、朝課外を実施する学校は減らないはずだ。
- 希望制だが、先生によっては強めに朝課外を受けることを勧められる。
- 九州の各県教委などによると、朝課外はPTAの求めで、1970年代頃には九州各地で行われていたとみられる。福岡県では、「強制的に受けさせているのでは」との指摘があったことなどから、県教委が2017年度以降、朝課外の実施状況を調査している。
- 福岡県では、全日制の県立高校と中等教育学校計93校のうち、朝課外を行っている60校は希望制を採用している。
実績比較 †
進学傾向分類 †
福岡県の進学校の進学傾向分類
2021年 †
2020年 †
コメント †