私立歯学部は、国家試験漏洩問題が露見されるまでは学費の事で悩むことは無く医学部並みの学費を徴収することは何ら問題はなかった。このころはまだ歯科医師のレセプトの平均点数も高く歯科医師の年収も医師と比べ遜色ないレベルで推移していた。しかし、国家試験の合格率が例の国試漏洩事件と歯科医師抑制政策により下げられ、東京歯科大学の国家試験合格率が68%を記録するなど激変の時代がやってくる。松本歯科大学は東京ドームなどで派手に広告を行っていた時代で当時5600万以上もの学費を徴収していたが、半額以上の値下げを断行し歯科界に衝撃を与えた。東京歯科大学は井出学長の指揮のもとコネを無くし改革を成し遂げ早期に今の地位を築き上げた。これは見事なセンスである。問題はその他私立歯学部である。このころマスコミでは盛んに歯科医師過剰問題を取り上げ歯学部の定員割れ問題を扱う時代に突入しそれと同時に歯科医療費抑制政策も加速し歯学部の偏差値低下が加速していく。それとは逆に、マスコミの医局制度の暴露により医師の年収が倍増し医学部の偏差値が激増する。偏差値45程度の某医科大学が今の偏差値まで駆け上がったのは皆さんご存知であろう。話を元に戻す、私立歯学部は、このころから学費値下げ合戦に突入する。私の知る限り逆に値上げしたのは東歯と愛学のみであろうか?単に値下げするのであれば学費を払う保護者としては喜ばしいことであるが問題はそう簡単なことではない。学費を下げ、留年率をアップする留年商法時代に突入するのである。見た目は6年間の総学費は下がるが実際は6年で卒業できる可能性は低く想像以上に学費を払う羽目になるのである。この留年商法に気が付いた私立歯学部は多く東京歯科大学以外の大学が特待生の名のもとに特待生詐欺、留年商法に突入していくのである。新設の昭和大学歯学部に至ってはなんと医学部に転部出来る制度まで作り上げ生き残りを計っていくのである。このセンスは素晴らしく今後のこの業界に変革をもたらしていくことになる。ちなみに岩手医科大学歯学部も医学部転部を始めたが時期既に遅かった。唯一東京歯科大学のみが留年商法をせず、学費は値下げせず、転部も単科大なので無し、ライバルは昭和大学のみとなる。旧六の日本歯科大、大阪歯科大、日大歯は、あぐらをかきコネ入学やめることが出来ずそもそも競争に参加していなかった。昭和大学はストレート合格率にこだわり6年生の志願者数と受験者数の乖離の矛盾を無くし東京歯科大学に迫っていく。しかし、昭和大学は補欠入学の順位を隠し補欠の順位を明らかにした東京歯科大学を抜き去ることは出来なかった。東京歯科大学は慶應大学と合併することになったが私個人としては賛成していないことを申し伝えておく。ちなみに、韓国では慶應大学歯学部よりも東京歯科大学の方が聞こえは良い。最後に、特待生で募集している大学が多いが、きちんと調べ自己責任で入学することをお勧めする。
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