背景

  • 199年時点で0.87、2002年時点で0.93と空前絶後の低値を記録していた新卒有効求人倍率が、2020年3月卒業の大卒有効求人倍率は1.83と2倍以上の値を記録している。
    • バブル期最高値が1990年の2.07であり、上記数値は1989年の1.85と同等である。
  • 大卒の就職活動に関しては、団塊の世代が60歳に差し掛かる2000年代後半に易化しつつあったが、リーマンショックにより再難化した。
  • そのため、2010年代に入って徐々に景気が持ち直し、2020年の現在に至る。
  • 2018年頃から就職活動では売り手市場であり、総合商社や投資銀行など、医師以上の対価を得られる会社に就職する難易度は大きく低下した。
  • それに加えてITエンジニアの需要が高まり、NECなど、新卒で年収1000万円以上を出す企業も現れ始めている。(参考文献1)
  • また、高度人材の報酬に関しては、3000万円を超える提示も、富士通やNTTなどいくつかの企業で見られている。
  • ITの最先端技術を操ることのできる人材は常に不足しており、2016年時点で15000人の不足であったが、2018年時点では5万人近くが不足しているとのことである。
  • 考えてみれば、現在の高度化されたIT技術を使いこなすには多くの勉強が必要であるし、生み出すお金も大きい。つい15年前ならば企業のホームページですらそれほど大した技術が使われていない場合も多かったが、現在のホームページを作ることは素人では難しい。それに加えて、複雑な機能を持つアプリケーションを作成することなど、技術者の必要とされている度合いは大きいと言える。
  • 現在は多くの者がIT化されており、自身のアイデアをITで表現することでそれがビジネスにつながる場合もある。逆に言えば、ITで表現できないとビジネスチャンスはないともいえる。IT技術を持つということは、自身での副業や企業の可能性も大きくなるということである。

医学部は。。。 医師は。。。

  • 年収1500〜2000万円を安定して稼ぐことができる。
  • 安定というのは、仕事を自己都合でやめたとしても最低それぐらいは稼ぐことができるということであり、10〜20年勤続する医師であれば2000万円〜2500万円はいく。
  • 開業により年収を大きく上げることができる。開業医の平均年収は3000万円というが、開業医は7割の経費が認められた状態での3000万円なので、、、サラリーマンの3000万円という感覚よりも遥かに多い。
  • 年収の調整ができる。アルバイト週1日で年収400〜500万円である。これをするかどうかの選択はこちら側にあり、時間を取るかお金を取るかの自由がある。
  • 学部卒業までに6年間を要し、その間の学生生活は閉鎖的であり人間関係は苦労しかない。
    • 明るく社交的な人であれば大丈夫かとは思うが。
    • 多くの人間が在籍する他学部、特に文系学部などは、授業やサークルなど、行く先々で人間関係が変わり、各々人との距離感を調整しながら付き合うことができる。医学部の場合は強制的なグループワークや実習が多く、トラブルを避けられない。
  • ただ一方で、就職後は医師の方が人間関係はドライというか、文系学部の学生生活のような距離感の調整ができるというメリットがある。その理由として、多くの医師がアルバイトをしている(下記参考文献では勤務医の55%)ことである。また、職場をやめても次の職場を見つけやすいため、一般の会社と比較すると人材の出入りが激しい。例えば、私の社会人時代に勤めていた会社では、在籍する部署の人材(10名ほど)は数年間変わらなかった。一方で、現在の病院は常勤医20人ぐらいで回しているが、1年で2〜4名の入れ替わりがある。とすると、濃厚な大学時代とは打って変わって、ドライな付き合いというか、長年一緒にいることによるトラブルは激減する。これはメリットであろう。
  • 医師の需要は明らかに減っていく。一時期7000人台だった国家試験合格者は、近年では1万人となっている。司法試験の合格者が1000人から2000人に増え、たった数年それが続いただけでも弁護士の待遇が悪化したことからもわかるであろう。(ただ、そうは言っても弁護士は年収2000万円を苦もなく稼ぐ)
  • 特に都会、マイナー科の医師の立場は非常に危うくなるだろう。要は、楽な立場の医師は危うくなる。
  • とすると、循環器内科や外科などのハードな診療科でないと必要とされなくなる。それは、「稼げるから医学部に行く」「安定しているから」という層とはマッチしづらい。
  • 特に再受験生はそうした考えの人は多く、マイナー科に集まる傾向にあった。これからは、本当に医療が好きな者だけに絞られていくであろう。
  • 医師の給与面での待遇悪化も顕著である。それは、患者の権利が強く主張されることになってきており、クレーマー気質な患者にも頭を下げて付き合わなければならなくなった。
  • ことあるごとに治療選択の説明や病状説明を要求され、一人の患者にかける労働量が大きく増加した。
  • これはあまり重要なことではないかもしれないが、2000年代前半までは製薬会社の接待は異常であった。仕事後に高級店で会食することはもちろんのこと、当直医に弁当を差し入れたり、出産のプレゼントをあげたり、「何か買ってきて」というような御用聞きも、ことあるごとにものや食事で釣って、その対価に処方を得ていた。2000年代後半になってからはそうした接待はすべて中止とされ、MR自体が経費を持たなくなったため、医師は何ももらうことはなくなった。一種の待遇悪化と言えるのかもしれない。

結論

  • 医師の魅力は高収入とみる人も多いが、それは大手企業に凌駕されており、その点ではアドバンテージを得ることはできない。今後はさらに待遇は悪くなっていくであろう。
  • 医師の魅力は「自由度」である。給料や勤務地、人間関係を自身の都合に合わせて調整できる。それが魅力である。
  • 単純な汎用性を持った技術力やその需要、給料ということに関してはITエンジニアに負ける。
  • 今後は純粋に医学が好きな人材のみが受験する流れとなり、医学部人気も収束していくであろう。

参考文献

(1) 新卒で年収3000万円も!激化する高度人材争奪戦
(2) 医師の年収・給料はどのぐらい?1,855名の医師の最新アンケート調査

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