2021-01-19
23:03:37

 2021年1月19日、ピーチ社の飛行機を止めたノーマスクマンこと奥野淳也氏が逮捕された。時は2020年9月7日に遡る。マスク着用をお願いされた奥野氏が機内で暴れてスタッフに全治2週間の捻挫を負わせた。これにより威力業務妨害と傷害の疑いがかかり逮捕に至ったというのだ。この時のCAさんの汚物を見るような目が話題となり、羨ましいという声も一部で聞かれた。
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写真左:奥野氏を汚物と見なすキャビンアテンダント

 事件の事実関係や罪状などは専門家にお任せするとして、ここでは奥野氏の置かれた社会的な立場について論じていくとする。医学部再受験と通じるものがあるのだ。
 当初、当サイトでは奥野氏のことを無職のおじさんと推測した。騒動直後に意気揚々と1日中twitterに張り付く様や、その風貌、柔軟性の無さが際立ったからだ。さらに、「こいつ俺の職場にいる」というような書き込みが一切なく、明らかに社会との交流を断絶された環境にいる人物だと思われたことも大きい。twitterでの連投は、それまで一切の感情を抑圧された環境(話相手のいない無職)からの解放を予見させ、カタルシス効果で気分が良くなっていることも想像に難くなかった。当サイト共通テストのマスク着用義務の項では「ピーチ社のノーマスクおじさんは受験できない」と冗談めかして書き、実際に49歳の男性がノーマスクで立てこもりをして逮捕され、同一人物かと思われた。しかし、その3日後の1月19日に奥野氏が逮捕されたことで素性がわかり、二人は別人であることが分かった。で、奥野氏の経歴を見ると彼も社会の被害者なのではないかと思えてくる。その経歴だが、以下の2通りが主説のようだ。

  • 奥野氏の経歴
    経歴1(有力)経歴2
    茨城?で生誕1987年茨城?で生誕
    高校入学2002年高校入学
    高校卒業2005年高校卒業
    MARCH?入学2005年-
    -2006年?MARCH?入学
    大卒、修士入2009年-
    修士卒、博士入2011年大学卒
    2013年院卒(東京大学大学院新領域創成科学研究科)
    博士満期退学2017年-
    明学TA2020年明学TA
    参考:奥野さん論文退学記載

 経歴1、経歴2ともに、東京大学大学院というのは出てくるが、学部時代の大学が全く記されていない。これは意図的に隠しているのであり、院から東大の学歴ロンダであろう。経歴2ではそれを裏付けるように、「新領域なんちゃら〜〜」という研究科に入学している。これは、外部生でも極めて合格しやすい不人気滑り止め研究科である。(院試で滑り止めに使える東大の研究科を教えます)大学入試で希望の大学に行けなかった。その思いを捨てきれずに院だけは東大にという思いであろう。ただ、研究は鳴かず飛ばずであった。2010年代前半までは彼の論文はいくつかあるが、専属の研究員としてはfirst authorの論文が少なすぎるし、そもそも近年は論文を書いてすらいない。ただ、どれも日本語論文だし、経歴2の修士論文も4ページぐらいで参考文献が3つ程度の医学部学生レポートレベルである(上記表の参考文献、これが修士論文ってことですよね?)。別に修士論文があるのならば申し訳ないが、内容量的に随分とあっさりしているなと感じる。私は素人なので内容面はわからないから、「これは質がものすごく高いんだ」と言われればそれは仕方ないが。経歴1では博士課程の論文がアクセプトされなくて退学となっている。経歴1でも経歴2でも研究者としては若干厳しめの道であったと推測される。ちなみに、灘高卒という情報がネットにあるが、これは極めて信憑性に乏しい。というのも、実家が茨城県でそこから関西に進学するというのはほぼあり得ないからだ。その後の進学、就職を考えるとデメリットしかない。
 そして、その後は明治学院大学のティーチングアシスタント(TA)である。TAとは、研究の傍らに雑用をするアルバイトである。元々は大学院生に雑用をお願いするための制度であり、時給は2000円のようだ。非常勤講師とは異なり講義をすることはない。「明治学院大学」というところがポイントで、東京大学ではないのだ。とすると、研究室を辞めてアルバイトになったというところであろう。近年のno論文も頷けるし、当サイトの「無職」という当初の見立てはあながち間違ってはいなかった。

  • 大学教員の職位(参考)
    順位職位
    1教授
    2准教授
    3講師
    4助教
    5大学院生兼TA
    ※5は正式には職員ではないが、TAとは院生がアルバイトとして兼任することが多く、位としては助教の下である。
    医局ではほとんどの医局員は助教であり、正式な職員ではない「専修医」という位がその下にいる。

 タイトルの「彼も社会の被害者」というのは、就職氷河期ではないにしろ、リーマンショックのために就職難の世代に当たってしまい、「就職がない→しかたなく院卒したけど就職がない」のスパイラルにはまってしまったからだ。彼のように自閉スペクトラム(ASD)傾向を持つ方はある程度売り手市場の就職市場でないとはじき出されてしまうし、はじき出されてからの立て直しも柔軟性がなく、「いい大学に行く」ぐらいの発想しかできないのでとりあえず東大院に行ってみて、行ってみたはいいけど何にも得られるものはない、現在アルバイトという惨状になってしまったのだ。2018年ぐらいゆったりとした就職市場であれば少しは結果が変わっていたかもしれないのだ。また、医学部再受験もある程度は彼のような方の受け皿にもなっており、当サイトとしてはどうしても気になってしまう。
 彼や49歳の共通テストマンのようなASDの方は、注意されたり予想外のことが起きると思考や行動の制御ができなくなり、機内で暴れたりトイレに立てこもったりしてしまう。普通の人の発想では、マスク着用を注意されたらそのまま着用するほうが得であるし、反論しても得られるものがないことなどすぐわかる。しかし、ASDの人は見ている世界が非常に狭く、ここまで考えることすらできず、将棋で言うところの1手先ぐらいしか見ていない。その1手先が自分の全てであるため、「マスクの装着」にこだわり、そこが障害されるともうどうしようもなくなってしまう。普通の人からすると「マスクの装着」よりも仕事とか人間関係とか重要なものがたくさんあってそんなことにこだわるという発想すらないのだが、ASDの人は目の前の世界が全てなのである。
 twitterで生き生きとした彼を見ることも悪くはないが、できれば現実世界で生き生きと働いている姿を見てみたい。

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