概要

 非常に寂しいことではあるが、今後再受験生は減少していくであろう。というより、既に2000年代と比較すると大幅に減少しているであろう。実習している学生にふと再受験生の話題を振ってみると「うちの学年はあまりいないですよ」という答えが返ってきたりしている。これだけではサンプル数が少ないからな言い切ることはできないが、社会情勢的にも再受験生は減っていく流れである。理由は以下の通りであるが、この流れはいいのか悪いのか。寂しいことは間違いない。

  1. 就職状況が2000年代と比較して大幅に良化した
     医学部再受験を流していたものは就職氷河期である。本来は医学に興味がなかったけど、就職に納得がいかず、その段階で方針転換をしてどうにかなるものは医学部だけであったため失敗組が医学部に流れた。いつの時代も一定数存在するが、2000年前後は特にそういった層が多く作られ、2000年代の医学部再受験ブームにつながった。有効求人倍率が1を切っていた時代であり、高学歴でも100社エントリーは当たり前、高飛車な面接官を相手になんとか切り返しても不合格は当たり前であった。私なんかは地元の鉄道会社を受験した時には家族の職業や出身校などを根掘り葉掘り聞かれた。やりたい放題である。また、京都大学の人が人材派遣会社を受験しに来ていて驚いた記憶がある。
     そうした就職氷河期が2005年ぐらいに終わり、失敗組の再受験が2010年付近で終わった。リーマンショック後の不況もあったが、氷河期と比較すると程度は軽くて短いので、リーマン組の再受験も2010年後半で終わった。とすると、再受験を促すマイナス要素がもうないのである。これ自体はいいことであり、医師という仕事に魅力を感じた人しか再受験をしない流れに戻るであろう。
  2. 「稼げる職業」としての医師の魅力低下
     国の無計画な医学部増員により医師が溢れかえっている。診療科によっては既にアルバイト求人の減少を示している。各大学の定員を増やして新設校を2つ作ればそれもそうなるであろう。長らく時給1万円以上を示してきた給料も間もなく減少に転じるであろう。私の大学の関連病院では、専修医週5日1700万円であった求人が1400万円に減った。その分人が増えた。これからどんどんそういった病院が出てくるであろう。1000万円台後半であればかつての医学部並みの学力のある人であれば、一般企業への就職で同じように稼ぐことはそう難しくはない。2000年代と比較して稼げる企業が新たに台頭しているし、自身でwebツールを使用して稼ぐことも出来る。2000年代と比較すると自由に動くことができ、「医師じゃなきゃ稼げない」という状況ではなくなっている。むしろ、医師は2000万円程度は稼ぐことはできるかもしれないが、それ以上は難しいというデメリットすら背負っている。さらに、リモートワークは絶対に無理だし、そうした職業にあえて飛び込む人は多くはならないであろう。

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