2021-02-11
22:46:06

 医師になって5年目から10年目辺りで、「学位(博士課程)と取得するかどうか」という選択が大きな分岐点となる。学位の価値は何とも定まったものはないが、年配の医師では60%が取得していて、最近の医師では40%程度が取得済み・取得予定のようである(m3.com)。率の低下は、「価値がわからない」ことと「めんどくさい」ことが挙げられる。
 学位を取るには博士課程の大学院へ行かなければいけないので、ほとんどの人は4年間の時間を取られてしまう。その間は医局でタダ働きという大学が多い(正確には4年のうち2年タダ働きとか)。「年間数十万の学費を払って研究をして〜」という生活となり、さらに医学系大学院の卒業要件はほとんどの大学で「英語論文を査読ありの英語雑誌に掲載」というルールがあり、論文が掲載されなければ卒業はできない。普通の医師一人では書き上げることは難しく、医局を上げて論文を何度も校正して仕上げていかなければいけない。ピーチ社の奥野淳也氏は大学院を満期退学になっているが、これは決して珍しいことではなく、いかに論文を通すことが難しいかを身近な例で感じられるいい教材である。となると、必然的に以下のように大学院4年生の人数が多くなってくるのだ。

学年1234合計
東邦22373176166
徳島314233113219

https://www.toho-u.ac.jp/univ/outline/studnum/studnum_2020.html
https://www.tokushima-u.ac.jp/about/data/student2.html

 また、日本医科大学では修業年限内の学位授与率を公開しており、概ね35%〜50%程度となっている。(参考:https://www.nms.ac.jp/var/rev0/0031/0671/191213_gakuseisu.pdf

 徳島大学さんや日本医科大学さんが真面目にやっていることは頷けるのだが、東邦も意外と真面目に審査しているようだ。いずれも4年生の人数が多くなり、学位取得の難しさを表している。
 ただ、上記は真面目に学位審査を行っている大学に該当する内容であり、真面目に審査をしていない大学の学位はいとも簡単に取得できてしまう。それが、順天堂や聖マリである。2校とも、4年以内の学位取得率が95%以上とバカげた数値をたたき出している(参考:https://med.juntendo.ac.jp/education/doctoral/doctor_data.html)。こんなものは「うちは真面目に審査していませんよ」と公言しているも同然で、その通り、順天堂での学位取得は楽勝である。楽勝な秘密は、「英語論文掲載」という点に厳格なこだわりを見せていない点である。「査読なしでもOK」とか「自校の雑誌でOK」とかである。これは審査基準がないのと一緒である。実際、卒業生を知っているが実に楽であると。さらに、順天堂は専修医には給料を出さないけど大学院生には10万円/月の給料を出しているので、「楽だし金出るし大学院生になっておこうかな」という発想の医師が多い。それで間口を広げて出口も開放すれば大量の医学博士の誕生である。「順天堂って博士号持っている人が多くてすごいな」というイメージを築きたいのであろうが、「それは違うよ」と指摘したい。この博士号に何の意味も価値もなく、自校で勝手に承認しているだけの認定資格である。ただ、順天堂にも3年での卒業要件を満たして学位を取得している方はしっかりと研究をされた方なので、博士号の価値を確かめるには「順天ですか聖マリですか」と聞いてyesと答えても無下にはせず、「3年ですか4年ですか」と聞いて、3年で卒業された方であれば、他大学の医学博士並みの価値はあると思われるので、毛嫌いしないようにしよう。

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