2020-12-14
21:39:43
厳しい物言いになってしまうが、この事実は揺るぎないものである。優秀な医師を目指す方は大学病院に行かずに外へ出ることをお勧めする。研修病院の分類は再受験生と初期研修を参照していただきたい。
種別 | 特徴 | |
1 | 人気市中病院 | 激務、優秀 |
2 | 大学病院 | 学生実習の延長 |
3 | 不人気市中病院 | 現場に行くだけ |
三分類させていただいたが、1と2にはとてつもなく大きい壁がある。以下その違いを記載していく。
私の研修病院(市中)がブラックだったためかもしれないが、大学病院との格差に愕然とするときがある。研修医2年目、循環器内科志望の医師が、マーゲンチューブ(胃管:鼻から胃の中に管を通すやつ)を顔面に平行に挿入したのだ。マーゲンチューブは普通は顔面に垂直に挿入する。「並行に入れる」というのは、確かに鼻の穴が下に向いているので、素人には馴染みやすいが、総鼻道は顔面に垂直に走っているので垂直に入れるのだ。これは救急対応をしている研修病院であれば数日以内に学ぶごく当たり前の知識である。こんなことも大学病院の研修医はできないのだ。しかも、循環器内科という非常に厳しい診療科を目指す研修医である。
ただ、上記に関連して、大学病院のメリットもある。研修が楽すぎて、厳しい診療科を目指しがちになるということである。ほぼ「見」の研修なので、自身は全く苦労していない。そうすると、一見してかっこいい診療科に行きがちである。「循環器内科」とか「産婦人科」とか。「自分でもできるんじゃないか」と。同期を見ていても、大学で研修した医師は意外と厳しい診療科に行っている。そして辞める。それもそのはずで、2次救急対応の厳しさを知らないでその診療科に行くわけだから辞めるのも仕方がない。
大学病院の初期研修を終えた人材というのは、人気市中病院の半年間の研修を終えた人材と同レベル程度である。高みを目指すなら外に出ることをお勧めする。