概要 †
- 入試
偏差値 | 駿 | 全国 | A方式:58 B方式、一般:56 |
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共テ | A方式:62 B方式、一般:59 |
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河 | 全統 | A方式、B方式:67.5 一般:65.0 |
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再受験 | かなり寛容 |
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定員 | 100 | A方式15、B方式20、一般40、共テ5、総合型選抜20 |
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編入試験 | なし |
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配点 | 400 | 数100,外100,理200 小論文,面接 |
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過去問 |
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解説 †
- 東北医科薬科大学(以降「医薬大」)は、宮城県仙台市に本部を置く医学部、薬学部を要する私立大学である。2016年、東北地方の地域医療を支えることを使命とし、国内では37年ぶりに医学部が創設された。2011年の東日本大震災後の東北の医療を担う人材を育成し、総合診療力を持った医師を東北に根付かせることを最大のミッションとして掲げる。
- 前身の東北薬科大学は、私立薬科大学では当時唯一の付属癌研究所を設立したり、初の大学院を設置したりするなど比較的前衛的な大学であった。東日本大震災により元来顕著であった東北地方の医師不足がさらに進行したことをうけ、地域に定着する医師の養成を目的として特例的に医学部の設置が認可され、2016年に東北医科薬科大となった。
- 特徴的なのは東北地方に定着させるための修学資金制度である。施策として、23年入試までは卒後の地域医療への従事を条件に修学資金の貸与を受ける修学資金制度が一般入試でも定員の半数以上(55名)に用意されていた。指定された地域医療機関に勤務することで貸与分の返済は免除となる。特に修学資金A方式(宮城県枠)は卒後10年の拘束と引き換えにほぼ国公立並みの学費(6年間で400万円)での修学が可能であり、30名の大きな定員枠と相まって本学の入試イメージに大きな寄与をしてきたが、こちらは24年入試以降は制度改変により定員10名の非常に狭い門となる。
- 上記から派生して資金拠出者の点で公立大学的な側面を持つことも特徴である。医薬大は私立大学であるが、修学資金A方式(宮城県枠10名)のスポンサーは宮城県であるため、入学宣誓式や卒業式では宮城県知事の出席と祝辞がある。なお、A方式(東北5県枠5名)とB方式は医薬大側も資金を拠出している。
- キャンパスは、1、2年生は仙台市中心部に比較的近い小松島キャンパス(薬学部と同じ)、3年生からは大学病院がある市中心部から離れた福室キャンパス(医学部のみ)に通学する。3年生への進級タイミングでキャンパスに合わせて引っ越しをする学生は多い。
- 新設医大なので関連病院や卒業生のネットワークなどは期待できないが、大学病院は2院を擁しており、旧東北厚生年金病院が前身の東北医科薬科大学病院(福室キャンパス床、600床)と、NTT東日本東北病院が前身の東北医科薬科大学若林病院(127床)がある。この他、かつては東北医科薬科大学 名取守病院が存在したが、令和2年8月31日に閉院済。
- 東北各県に臨床実習受け入れ先のネットワーク病院がある。また、高度医療を学ぶ場である関連教育病院として、東北労災病院や仙台医療センターとも連携している。他には、教員が常駐するサテライトセンターがある(登米、石巻地区)
- 地域医師養成機関である自治医大と比較されることもあるが、義務年限やキャリアパス(専門医をとれる最短年数)、学費や生活(自治医は全額貸与、全寮制)、募集条件(自治医は都道府県単位で枠)、そもそもの大学の設立趣旨も異なるため良し悪しの評価は難しい。自分なりに調べて判断する必要がある。
- 令和7年度(2024年)入試から一般入試の地域枠Aを大幅に削減して総合型入試を新たに導入するなど、入試に大きな変化がある。
入試制度 †
入試改革 †
2025年 †
- 総合型選抜(定員20名)の導入。一般入試95名→75名に変更。
- 令和7年度入試から東北医科薬科大学の入試が大きく変わる。
- A方式宮城県枠30名の定員が20名減らされ10名になり、一般入試の定員枠もその分減って75名となる。
- かわりに、総合型選抜「東北地域定着枠(20名)」入試が新たに導入される。
- これは、「東北5県(つまり宮城県以外)の地域医療に従事する強い意志を持った人材を求める」入試であり、出願の条件として、「高校3年1学期(or前期)までの評定は3.8以上」「東北医科薬科への出願専願で合格時に必ず入学できる人」「入学時に東北5県のうちのいずれかの奨学金プログラムに必ず応募する」「出願時の年齢制限は設ける意向」「高校で数学は全範囲、理科は化学物理生物のうち二科目以上を履修している」などの条件を設けている。
- 入試は11月下旬に小論文試験+面接の2日間にわたり実施する予定で、小論文試験は「数学小論文」「理科小論文」「英語小論文」の3科目を行う。それぞれ70分で100点である。それに面接(20分、点数化)、出願書類(点数化)で合否を判定する。
2022年 †
- 共通テスト利用選抜の実施。定員5名(一般枠に含まれる)
2020年 †
- 開学以来1次入試日は2月1日に固定されていたが2020年から1週間程度早められ、2次試験日は2日間に変更。
- 面接日は2日間、一部受験生への再面接も実施に変更。
method | region | 定員 | 貸与額(万円) | 実質学費(万円) | 義務年限(年) |
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総合型 | 東北5県 | 20 | 県による |
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A | 宮城県 | 10 | 3,000 | 400 | 10 |
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東北5県 | 5(各1) | 8-10 |
B | 東北5県 | 20 | 2,608-3,192 | 108-792 | 9年前後 |
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一般 | | 40 | 無し | 3,414 | |
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表:2025年以降の東北医科薬科大学の入試方式
参考文献:https://www.tohoku-mpu.ac.jp/medicine/scholarship/
- A枠(宮城県)
- 臨床研修後から義務年限の開始。推奨診療科(内科、外科、総合診療科、整形外科)、特定診療科(産婦人科、小児科)の指定あり。宮城県知事が指定する医療機関等で10年勤務(特定診療科は8年に短縮)
- 専門医取得を希望する場合は、指定する医療機関が宮城県以外となる可能性がある。
- A枠(東北5県)
- 入学時は義務年限の幅を持ったまま貸与契約。将来の臨床研修後に理事長が当該県の意見を勘案して確定し、指定した医療機関に指定年数勤務
- B枠
- 入学後に大学側がB枠入学者を集めて希望を聞きつつ全員の出願先の調整をする。入学時に希望している県に必ず応募できるとは限らず、つまり入学してしばらくするまでどの修学資金をいくらもらえるのか、卒業後どこに行くのかはわからない。
- 出身高校か世帯が青森でないと出願できない青森県、連帯保証人のうち1人は岩手県在住であることが望ましく選考で岩手出身者を優先する岩手県など細かい縛りもあるので気を付けること。
- 医師になった後は当該県の修学資金制度が定めた返済免除条件に従う。
- 修学資金枠が特徴である。一般入試では出願時に方式ごとの自分の優先順位を記入する。
- 辞退者が出た場合は、希望順位に従って繰り上がる。繰り上がり方は非常に複雑である。医薬大公式R5大学入学選抜動画が詳しい。上の希望順位の枠に繰り上がると戻れないので希望しない枠では出願しないこと。
- 修学資金制度を利用する場合は、連帯保証人2名の用意と入学時に大学指定の生命保険への加入が義務付け。連帯保証人については、借り入れた奨学金とその利息を返済する経済能力かつ法的な保証能力を持つ、生計の独立した2人の連帯保証人の用意が必要(つまり父母の2人を連帯保証人にすることはできず、1人は親以外の人物が必要)。入学手続きにおいては実印による連帯保証人の契約が必要となるため、その2人の連帯保証人を仙台まで連れて行く必要がある。事前に日程希望調査票が大学からくる。なるべく出願の段階で保証人を確保することが望ましい。
- これまで普通の受験生が一般入試で修学資金制度で多数入学する特殊な私立医というイメージを築いてきた東北医薬だが、令和7年度入試から遂にその入試の方向性に大きな変化が始まる。
- 本学の修学資金のイメージに大きな寄与をしてきた一般入試A方式宮城県枠30名が一気に20名も減らされ10名の枠となり、一般定員も95名から75名となる。
- A枠が一気に減らされたのは、宮城県内の公的病院に300名(30×10)分のポストを捻出できそうになかったことにある。既に入学済みのA枠生も、卒後の研修期間は一時的に東北の他県で研修をする事になる可能性があると説明されている。
- その20名分の枠は総合型選抜の東北地域定着枠に回される。これは実質的な地域枠型推薦入試であり、合格した場合は宮城県以外の東北5県の用意した修学資金に応募することが義務付けられており、卒業後はその県の定めた条件に基づき県内の公的病院などで働くことになる。なお、この枠は医科薬科大からの資金の貸与は無い。
入試傾向 †
- 試験時間は英語70分、数学70分、理科2科目120分。全てマーク式。試験会場は一次は仙台以外に東京・大阪・札幌、二次の面接は仙台のみ。
- 毎年仙台第二高等学校の入学者が5〜8名程度いるが、出身校はばらけている。東北出身の在学生は611人中170人なので、東北民だらけという訳ではない。
- 例年、一般枠+5%でB方式、B方式+5%でA方式の合格ラインとなる。
- 医学部開学以来女性入学者が少ないことが悩みの種であったが、近年は入学者の100人中45人が女性になるなど、女性差別は一切無いことが分かる。
- 成績開示などは行わない。
英語 †
- 例年、長文は大問1は医療系のテーマで、大問2は科学系のテーマ。
- 長文は1,000語程度である。
- 2019年はオプシーボのガイドライン、2018年はホルモンの働きについて。
- 2022年より作問者が変わり、形式も変わった。
数学 †
- 70分で3題であり、時間的余裕はあまりない。
- 2022年より難化し、入念な対策が必要となった。
物理 †
化学 †
- 例年、理論2問と有機1問と高分子1問が出題される。
- 時間に対して計算量も多いため、取れる問題は確実に押さえていきたい。
生物 †
- 分子生物が毎年出題される。神経、遺伝、発生、体内環境、代謝も頻出である。
- たまに大学入試よりも大学院入試で出そうなハイレベルな問題が出ることがある。ただし、2023年度は生物選択者の入学者が多かったため、一概に生物選択が不利とは言えない。
面接 †
- 面接官3人に対し15~20分の個人面接。
- 評価方法などは非公表。面接点があることは認めているが配点は不明。面接は全て録音録画される。やや圧迫気味。
- 大学志望理由などの基本的な質問に加えて、自分と東北とのゆかり、東北の医師不足や地域医療に関する質問もされる。自分と東北とのゆかりぐらいは喋れるようにしておこう。
- また、20年度入試から一部の受験生に対し再面接も行う模様。
小論文 †
- 2次の面接試験の前に行われる。60分600字。2017年度のテーマは、医療技術の発展が人間の幸せに繋がるか問題点と恩恵を述べよという内容、2018年度のテーマは、犯罪の加害者の人権保護と、被害者およびその家族の人権保護に関して、我が国の現状とあなたの考えを述べよ、という内容。
補欠 †
- 二次試験合格者以外の二次試験受験者は「繰上げ合格対象者」となる。補欠順位は発表されない。
- 繰り上げ合格者には電話連絡の上、速達郵便で「合格通知書」及び「入学手続書類」を郵送する。
- 補欠の電話は022で始まる番号であるが、大学本部とは異なる電話番号からかかってくる。
- A方式、B方式、一般枠それぞれで補欠が回る。
- 定員の半数以上が修学資金枠のため、学費の安さから国公立との併願が非常に多く、国公立合格発表以降は相応数が国公立に抜ける。
- 一般選抜は、A方式、B方式、一般枠を希望順位をつけて第4希望まで併願することができる。そのため、合格者の決定は入学試験成績順と入学の希望枠・方式に沿って行う。既に合格し入学手続が完了している場合でも、希望上位の枠・方式に欠員が出れば、入学試験成績順に繰上合格となる。
- 実質、A方式が第一志望となることが多く、B方式や一般枠の繰り上げ合格は時折みられる。
- 例年、3月初めから一般枠とB方式を中心に回りだし、A方式も少しだけ回る。
- 補欠繰り上がり終わりの際は、大学から連絡がある。
- 東北医科薬科大学6年間の学費は、入試枠により大きく異なる。
- 一般枠が通常の私立医学部レベルであり、A方式では国公立医学部並みの学費となる。
- A方式(15名):4,142,000円
- B方式(全20名)
- 福島:1,222,000円
- 岩手:4,742,000円
- 山形:7,142,000円
- 青森:8,060,000円
- 秋田:8,060,000円
- 一般枠(40名):34,142,000円
入試の所感 †
東北医科薬科大学の入試の所感
入試結果 †
参考:https://www.tohoku-mpu.ac.jp/about/information/situation/#a02
一般入試 †
年 | 定員 | 志願 | 受験 | 合格 | 入学 | 実質倍率 |
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2024 | 95 | 2,045 | | | | |
2023 | 95 | 1,733 | 1,679 | 321 | 93 | 5.2 |
2022 | 95 | 1,791 | 1,711 | 352 | 98 | 4.9 |
2021 | 100 | 1,765 | 1,684 | 355 | 100 | 4.7 |
2020 | 100 | 1,642 | 1,582 | 325 | 100 | 4.9 |
2019 | 100 | 1,740 | 1,575 | 281 | 100 | 5.6 |
2018 | 100 | 1,873 | 1,673 | 227 | 100 | 7.4 |
2017 | 100 | 2,240 | 2,042 | 256 | 100 | 8.0 |
共通テスト利用入試 †
年 | 定員 | 志願 | 受験 | 合格 | 入学 | 実質倍率 |
2023 | 5 | 73 | 73 | - | - | - |
2022 | 5 | 49 | 49 | 9 | 2 | 5.4 |
教育 †
東北医科薬科大学の教育
大学生活 †
東北医科薬科大学の大学生活
卒後の状況 †
- 1期生の国試合格者のうち64%が東北域内の病院で初期研修を受けるとのこと(2022/7時点の情報)
- 2期生は卒業生92人中、67%(62人)が東北域内の病院で初期研修マッチング済。
コメント †
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