![[東京医科大学裏口入学問題 のバックアップ(No.10)]](image/siritu.jpg "[東京医科大学裏口入学問題 のバックアップ(No.10)]")
今回の事件の重大性を認識し、他にも行われているであろう不正入学を防止する。入学者への誹謗中傷は本意ではないため控えていただきたい。
2017年2月、当時の文部科学省官房長・佐野太が自身の息子を東京医科大学に不正入学させた事件である。「私立大学研究ブランディング事業」の選定において。東京医科大学を支援対象とする見返りとして。臼井正彦理事長、鈴木衛学長と密約し、不正入学を働いた。
2017年5月の時点で「生きてて良かった。日本一幸せな浪人生。」発言。受験校は東京医科大学のみ。試験前はセブ島旅行。合格が確約されていないとできないことばかりである。「不正合格にあたって加点するかどうかは知らない、お任せしている」けど「合格は知っていた。」ということであろう。要は論理のすり替えをして、嘘を付かない範囲で罪を少なくしようとしている薄汚い発言である。
東京医科大学には、どうしても「私立大学研究ブランディング事業」に選定されなければならない事情があったとみられる。
東京医科大学は2004年に心臓手術を受けた患者の死亡事故が発生したほか、2005年度から2007年度にかけて博士号学位審査に携わった教授の多くが大学院生から謝礼として現金を受け取っていたことが発覚するなど不祥事が続いた。2012年には同大茨城医療センターが8000万円にも上る診療報酬を不正請求していたことで、同大茨城医療センターは保険医療機関の指定を取り消されている。
こうした不祥事は補助金を受けるときにマイナスになりやすく、実際に東京医科大学の財政事情はかなり厳しかったようだ。その反面、東京医科大学はここ最近は科研費の獲得に意欲的に取り組んでいた。たとえば2013年度には140件だった科研費の採択件数(新規・継続)は2016年度は191件となり、2017年度には213件まで急伸した。科研費の金額も2013年度は2億6052万円だったが、2017年度には4億6436万円と急増している。
参考文献：東洋経済
不正があったとされる今年2月の入試は、1次で筆記試験を行い、合格ラインを超えた受験者だけが、2次の面接と小論文、適性検査に進むことができる。1、2次試験ともに、鈴木前学長をトップとする複数人の委員会で合否を決めていた。2614人が受験し、1次451人に絞られた後、最終的に171人が合格したという。
臼井前理事長が学内で息子を合格させるよう指示した。鈴木前学長とともに合否の判定を主導し、息子が合格ラインを超えるよう加点を指示していた。佐野前局長の息子は合格点に届いていなかったという。
朝日新聞
臼井正彦と鈴木衛が7月6日付で辞任をした。NNNnews
たまたま明るみになっただけというのが第一印象である。そもそも「そういう大学」である。再受験に厳しく、子息が優遇される。だから学力はあっても合格は当てにできず、本命としては扱いづらい。この評価は一貫しており、再受験生は本命にはしない。もちろん、ほとんどの学生の方は実力で合格を勝ち取っているが、残りわずかのところでこうした操作が入っている。近年は医学生のレベルが上がり、国家試験もかなりの難易度になってきているため、どの大学も優秀な学生を求めているが、大学の経営陣としては優秀な学生よりもメリットがある場合はこのように不正をしてしまうこともあるのだろう。非常に腹立たしく、これ以外の不正も暴いてほしいところである。
医学部受験は熾烈を極め、1名、2名の枠が非常に重要である。それをこんな1次試験の合格点にも満たないような子息を入学させるとは受験生に対する冒とくである。 医学部受験は熾烈を極め、1名、2名の枠が非常に重要である。それをこんな1次試験の合格点にも満たないような子息を入学させるとは受験生に対する冒とくである。今後は同大学のまだ明るみになっていない不正だけでなく、他大学の不正入試も暴いてほしい。
こうした裏口入学は他の大学でも行われているであろうが、これは私立医学部の悪しき伝統である。裏口で入って医者になった経営陣が昔のノリで悪さをするのは本当に止めてほしい。今はあなたたちの時代と違って私立医学部といえども優秀な人材が入学する時代なのである。
他大学はどうなんだと問われると、確かに私立医学部にはそうした噂は付きまとう。しかし、今回のケースとの決定的な違いは、「1次試験を自力で突破したかどうか」である。どの大学も、「配慮はするけど1次試験は自力で突破してください。」という姿勢である。2次試験の場に来たのならば、面接官は知ってる顔であるため点数を上乗せすると。こうした配慮を効かせるために、コネ入学の多い大学は1次試験合格者を大量に出す。（志願者数と1次合格者に関しては2018年私立医学部志願者数?を参照とする。）コネのない受験生には補欠は回りづらい。点数の高い者には補欠は回るが、微妙なラインは子息に席を譲らなければいけない。面接の点数など面接官の裁量次第なので、たまたま子息に高得点をつけようが、それは感性の範囲内ですまされる。しかし、今回のケースはそうしたうやむやを吹っ飛ばして、1次試験をフリーパスにしてしまった。1次試験フリーパスというのは入学試験をフリーパスと同義である。医学部入試の根底を覆す悪事を働いてしまったことが大問題なのである。
近年、特に2000年代後半、私立医学部の難易度は上がり続け、場合によっては地方の国立医学部よりも都内の私立医学部を選択するということも見られた。最も簡単に入学できる私立医学部ですら早慶の理工学部よりは難しいのである。こうした状況が10年〜15年続き、かつての「子息優先、金優先」のイメージを払拭しつつある流れであった。しかし、今回の事件を受けて、10年以上にわたって築き上げてきた信頼が崩れ落ちてしまった。「やはり私立医学部はこんなもんだ」と思われる要因となってしまった。この入学者の代わりに合格すべきだった方が一番の被害者であることは変わりないが、他の医学生や卒業生に与えた被害も甚大である。
参考文献：週刊文春7月12日号
東京医科大学が、数年前まで毎年10人前後の受験生を不正に合格させていた疑いがあることが14日、関係者への取材で分かった。東京地検特捜部は不正合格者のリストを入手しており、裏口入学の常態化が事件の背景にあるとみて調べている。
大学関係者によると、同大の入試では、数年前まで政治家や中央省庁の幹部の子供らが受験した際、面接や小論文などが課される2次試験後に点数が足りなければ加算し、合格できるようにしていたという。 こうした不正な操作は学長をトップとする入試委員会で行われていたといい、「理事長案件」として、臼井前理事長の意向が強く反映されたケースもあった。
産経新聞
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