概要 †
- 獣医師の年収に関してはあまり知られることがない。医師や歯科医と比較すると人数が少ないためであろうか。また、獣医を目指す人は金銭を求める度合いが少ないということも関係しているかもしれない。
- 「医師」とはついているが、医師、歯科医師の給料とは一線を画す。医師2000万円、歯科医師1000万円、獣医師600万円である。
- 一般的な統計で「年収○○○万」とか発表されているが、結局のところ勤務体系や年齢などの条件が偏っている可能性があり、信頼できない。
- 例えば、そうした一般的な統計において、医師の平均年収が1100万円とか算出している媒体もあるが、全くの間違いである。その件に関しては、医師の給料で述べさせていただいている。
- そこで、私たちができることと言えば公開されている信憑性のある情報を比較することぐらいであるため、獣医師のアルバイト料を医師、歯科医師と比較してみることとした。
アルバイト代 †
職種 | 時給 | 日給 |
獣医師 | 2,000円 | 15,000円~25,000円 |
医師 | 1万円 | 8万円 |
歯科医師 | 4,000円 | 3~4万円 |
薬剤師 | 2,000円~3,000円 | 2万円 |
- こう見ると薬剤師並みであり、医師や歯科医師には及ばない。
- 歯科医師がワーキングプアと言われているが、どう考えてもそれはないし、獣医師がその話題で取り上げられないのはなぜか。
- 以下は一般的なデータであり、参考までに。
データ †
平均年収 | 545万円 |
平均月収 | 40万円 |
平均時給 | 2,078円 |
平均年齢 | 37.9歳 |
平均勤続年数 | 8.8年 |
男女比 | 23:10 |
参考文献:平成24年厚生労働省「賃金構造基本統計調査」
また、厚生労働省の最近のデータ
平均年収:616万円
平均年齢:34.7歳
平均勤続年数:7.1年
復元労働者数:3,290人
【男女別】
- 男性
平均年収:729万円
平均年齢:37.1歳
平均勤続年数:9.1年
復元労働者数:2,100人
- 女性
平均年収:416万円
平均年齢:30.3歳
平均勤続年数:3.6年
復元労働者数:1,190人
2018年統計 †
- 50歳以上の女性のデータがないことからもわかるように、本統計は母数が非常に少ない。
参考文献:厚生労働省平成30年賃金構造基本統計調査
解説 †
獣医の平均年収はサラリーマンと同じか少し高いぐらいである。新卒の勤務獣医師の月給は20万円前後であり、卒後3年経っても350万円程度となかなか厳しい。1000万円以上稼ぐためには開業が必須となる。では開業資金はどの程度必要かというと、最低3000万円、5000万円~1億円は必要と言われる。これは医師の開業資金と変わらない。非常に厳しい額である。
具体例 †
- 動物病院を開業するとなると、自分で建てた病院の院長なら小さいところで600万、大きなところで2000万。
- 小さめの開業にあたって最小限必要な設備備品が600万、物件を賃貸で借りるとして最低でも2500万ほど。
- 雇われだと初任給20万強、3年目で25万前後、5年たっても30万にとどくかどうか、だからみんな開業を目指す。日本では普通の犬猫相手の獣医は儲かる商売ではありません。
- 1年目240万円、2年目に基本給が600円上がる。(引用:vorkers)
分野別評価 †
- 伴侶動物系は親の地盤があるとか資産があるとかじゃないとサラリーマンとほぼ変わらない収入か。収入がすべてではないけど費やしたした時間と努力を考えるといささか残念
かと言って家畜系や検疫系は興味を持てず製薬系は東大北大クラスじゃないと辛い。
コメント †