概要 †
コロナウイルスにより不景気になりそう?過去の動向から、景気の変動は医学部受験にも直結する。以下、検討してみる。
コロナウイルス †
概要 †
- 今年度以降の受験生はコロナウイルスの概要だけでも知っておいて損はないと思われる。医学を志す者として、面接でその知識や考えを問われても全くおかしくはない。
- 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)
- コロナウイルスには多くの種類があるが、ヒトに感染するのは7種類のみだ。うち4種類は、かぜなどの軽い病気を引き起こし、残りの3種類はより深刻な症状をもたらす。
- SARS(重症急性呼吸器症候群)、MERS(中東呼吸器症候群)がその例である。
- 飛沫感染
- 咳嗽やくしゃみ、会話時に放出される唾液や粘液の飛沫によって感染が広がる。
- 飛沫感染は2m離れると感染しないとされている。オープンエアでは,2mまで到達する前に,種々の大きさのaerosolは乾燥する。
- RNAウイルスの中で最大のゲノム(遺伝子)を有しており,プラス鎖一本鎖のRNAを遺伝子とする。その長さは約30kb(3万個の塩基)である。
- エンベロープを有するので,エタノールや有機溶媒で容易に感染性がなくなる(不活化できる)。
臨床的特徴 †
- COVID-19の臨床的特徴は,インフルエンザのような感冒症状に加えて,致死性の間質性肺炎・肺障害を発症する点にある。
- 中国の2月11日の報告では、80%が軽症で、残りは肺炎を合併し,14%が重症,5%が危機的で呼吸管理を必要とする患者で,死亡率は全体の2.3%と報告される。
- 肺炎の合併率は非常に高いと言える。普通のコロナウイルスではまず肺炎には至らない。
経過 †
- 2019年11月17日、湖北省出身の55歳の男性が新型コロナウイルスの最初の症例であった可能性があるが、中国当局はデータを公開しなかった。
- 2020年1月16日、神奈川県で中国人感染者を確認し、日本における初感染者となった。
- 1月27日、新型コロナウイルスが指定感染症となった。
- 2月13日、初の死者が確認された。
- 2月26日、政府から全国のイベントの中止縮小を要請した。
- 2月27日、政府から全国の学校の休校を要請した。
- 3月10日、新型コロナウイルス感染拡大を歴史的緊急事態に指定した。
- 3月21日、国内の感染者が1000人を超えた。
- 4月3日、国内の感染者が3000人を超えた。
景気 †
事実 †
- 2020年2月3日、日経平均株価は22,971円であったが、3月19日には16,552円にまで急落した。その後、19,546円まで跳ね返ったが、再び下がり、17,000円台を推移している。
- 2018年春頃から急速に深刻化した米中の貿易摩擦の影響で世界貿易は低迷し、日本の景気も含んでいた。2019年秋には消費税率の引き上げに加えて台風などの自然災害による一部工場の操業停止の影響があった。内閣府の発表している景気動向指数のCI(一致指数)は大きく落ち込んでおり、基調判断は景気後退の可能性が高いことを示す「悪化を示している」が続いている。
- 2002年末から2003年春にかけてSARS(重症急性呼吸器症候群)の感染拡大で各国の市場が混乱するという出来事があったが、この時は、香港株式市場のハンセン指数が年明け以降、最大で約14%下落、ダウ平均株価は16%下落、日経平均株価は14%下落した。この下落幅は感染が拡大してから終息するまでの全期間を通じたものだが、今回、ダウ平均株価はすでに最大で約19%、日経平均は22%も下がっているので、SARSの時よりも市場のショックは大きい。
- 2020年3月の景気DIは前月比6.2ポイント減の32.5となり6カ月連続で悪化した。2014年4月(同4.2ポイント減)を超える過去最大の下落幅となった。
予想 †
- 国際通貨基金は、新型コロナウイルスの感染拡大により、今年の世界経済の成長率がマイナスに転じ、「少なくとも(リーマン・ショック時の2008年前後の)世界金融危機と同規模か、さらに悪い景気後退をもたらす」との見通しを示した。
医学部受験 †
事実 †
- 就職氷河期(2000年前後)→医学部受験者が増加し始める。再受験者が激増した。
- SARS(2003年)→景気はわずかに落ち込むもほどなくして回復し、受験の動向に影響を与えた形跡なし。
- リーマンショック(2008年前後)→医学部受験者、特に現役生が激増した。
- 景気回復傾向(2018年頃)→医学部受験者の増加は頭打ち、減少傾向となった。
- 医学部受験は就職活動の動向とも大きく関係するが、2020年4月6日、採用広報解禁から1カ月の内定率が発表され、2016年以降で最高を記録した。マイナビの「2021年卒大学生活動実態調査」(調査期間:3月25日から31日、有効回答数:5643人)によると、3月末時点の内定率は、前年比7.8ポイント増の20.5%であった。
予想 †
参考文献 †
コメント †
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