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背景 †
- 2000年代に日本の医学部受験が劇的に難化し、国公立は東大理一以上、私立医学部の底辺ですら早慶理工以上の難易度となった。
- この頃は本格的な定員増加前で、医学部受験が難化を極めていた時代である。
- 学力的に敷居は非常に高く、どれだけ勉強しても力が及ばないものも多くいた。
- しかし、この頃は同時に絶不況期であり、公務員や資格職が人気を極め、その頂点であったのが医師であった。
- どうしても医師になりたい者は医学部を諦めきれず、海外へ活路を見出したのだ。
- 海外留学というと最先端の知識や語学を学ぶためにアメリカをはじめとした英語圏への留学が思い浮かぶが、この場合の海外というのは英語圏ではなかった。
- 医師の地位が低く給料も安い、さらに物価も安い国が標的とされた。
- 東ヨーロッパである。
- この背景にあるものが医師国家試験予備試験であった。日本の医学部を卒業していなくとも国家試験の受験資格が得られる制度である。
- この制度自体は外国の医師免許を持つ外国籍の者を対象としていたが、その抜け道というか、逆輸入させてしまおうという発想である。
- 人体の仕組みは日本であろうが海外であろうが同じであり、とにかく6年間医学を学んで、それを厚生労働省に認めてもらって医師国家試験を受けようとする者が現れたのだ。
流れ †
- 2000年代前半はほとんどいなかったが、2006年頃から中継業者も現れ、本格的に海外医学部への斡旋をおこない始めた。
- 主な入学先としては、ハンガリーやブルガリアなどの非英語圏の東欧諸国である。物価が安く、入学難易度が低いことがあげられる。かつ、医療水準も平均以上であるなど、医学を学ぶ上での条件をクリアしている。
- 英語圏のイギリスやアメリカ、オーストラリアでは、授業料が高く、日本の私立医学部並みとなってしまうので、選択肢としての優先順位は低くなっている。
- 非英語圏での授業となるため、英語+現地語をマスターする必要があり、卒業に求められる資質はかなり高い。
- 2006年頃は、「アメリカ、西ヨーロッパの医学部であれば日本の医師国家試験の受験資格を得られるが、学費が高い。だから東欧の医学部に行く。しかし、受験資格を得られるかわからない」という世間の認識だった。
- 2006年入学の東欧医学部の人の日記を見たが、「卒業しても日本の国家試験を受験できるかわからない」と書いてあったのが印象的だった。
- サンプル数が少なすぎて、受験資格について詳しくわかる者はいなかった。
- しかし、2019年現在、東欧や中国の医学部でも受験資格が得られることが分かった。
- 2018年以降は医学部受験の難易度も下がり、敢えて海外に行く者の層も変わってくるのではないか。
何年かかる? †
- 高校を卒業後、すぐに予備コースに入学するとその年の9月から開始となる。この時点で、同級生は大学1年生である。翌年の9月に本コースへ入学するが、この時点では同級生は大学2年生である。そこから6年間で6年後の8月に卒業である。高校の同級生は、海外医学部生が5年生の2月に医師国家試験を受験し、4月から医師1年目である。海外医学部生が卒業する時は医師2年目であり、国家試験に受かって働き始める時は医師3年目となる。
- 現役と比較するとストレートで合格すれば2年の遅れとなる。
評価 †
- EUの医師免許を取れても、労働ビザが降りない。日本人にはまず発行されないし、どんどん厳しくなっている。
- 数学できない奴にはいいかもね。日本の医学部は数学に重き置きすぎてるから。数学できるなら、日本のがいいと個人的に思う。 -- 当サイト2015-08-11
- 高校生に数学をガチで教えるのは日本、中国、韓国、インドくらいなもんじゃない?高3の夏にアメリカにホームステイに行って現地の高3の数学の授業に参加させてもらったけど高3の夏で二次関数の頂点の求め方習ってるところだったぞ -- 当サイト2015-08-11
- 海外医学部6年行ってきたけど留年とか成績不振で退学を余儀なくされるケース頻発だよ。入学者と卒業者をしっかり公表するべきだと思う。20人行って卒業できるの2,3人とかそれぐらい。入学は容易かもしれないけど卒業までがマジ鬼畜 -- 当サイト2016-05-16
- 個人的な見解。一応、東欧と中国とフィリピンの現状からすると。入学試験と入学後の一年間のハードさはフィリピンが一番キツいぽい。東欧は六年間だし、入学もフィリピンとかより業者通さないならさらに簡単。北京大学やら中国医学部は、昔、業者の説明会行ったけど、営業凄くて、ヤバく感じた。そもそも中国語だし、医師免許取るまでに何年かかるんだよ?て感じだし。まあ、北京大学医学部?卒業どれだけできるんだろね? -- 当サイト2016-12-02
- 海外医学部に留学しようとしてる人に言いたいのは、日本と違ってクラス内で猛烈な競争に晒されること。だから、同じ日本人だからといってあてにすると、痛い目にあうし、裏切られたとき、心折れるかもだから、海外で一人でやってく覚悟ないなら、日本で頑張ってほしい。海外は入学は日本に比べたら簡単だけど、そのあとは日本とは比べようもない試練が待ってる。文化の違いで人種差別問題に発展したりね。アメリカ見てたらわかると思うけど、大変だよ。自分らがキツくなれば保護貿易みたいに、自国第一主義になるから。業者もボランティアじゃないから。最初に金をほとんど払わせるのは、辞めてしまう学生多いからだし。あとは、運だよね。クラスメイトに恵まれるか。あと環境や文化があわなくて、フェイスブックで発狂してるクラスメイトとかいて、地獄だ地獄だって。頭よくてもメンタル弱いと、卒業できないよ。 -- 当サイト2017-03-19
今後 †
- 海外医学部からの受験という流れは確立しつつあるが、2019年現在、医学部は易化傾向であり、これまでのように「どうしても医学部に行きたいけど歯が立たない」という層は減っていくのではないか。
- というより、2010年頃から既にそうした層は減り、国際性を求めて留学する人が格段に増えてきた。
- しかし、海外経験や語学習得といった点の重要性は増し、海外経由での医師免許取得の流れはしばらく続くと思われる。ただ、その場所は後進国ではなく先進国を対象とするものに変わっていくのではないだろうか。
- 現状の後進国での医学生生活は学生への負担が大きすぎると思われる。
海外医学部卒業生の価値 †
非常に高いのではないかと考えている。現地の語学を習得し(とは言っても大半は英語であるが)、文化を経験している人材はそれだけで価値が高い。日本で働く中でも外国人患者とのコミュニケーションは円滑になるし、研究留学もしやすい。2010年前後に入学した学生たちは、日本の医学部入試に力が及ばなかった者が多いとは思うが、学力レベルの差は医学においてはほとんど関係のない要素である。それは、医学が経験の蓄積を始めとした暗記主体の学問だからである。数学や物理のような高度な論理的思考力は求められない。経験を積む中で診療能力は向上し、語学や他文化の経験は多角的な視点を与えてくれるだろうから、その医師自身の臨床能力に深みを持たせてくれる。卒業するには並大抵の努力ではすまないだろうが、その分だけ有意義なものを習得できる出のはないか。
私は日本の医学部の卒業生なので、海外医学部の卒業生を尊敬するし、羨ましいとも思う。
日本の歯学部へ留学する外国人 †
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コメント/海外医学部総論2015年12月以前
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コメント/海外医学部総論2019年1月~6月
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