なぜか「入門」という言葉が入っている高校物理最高難易度クラスの参考書とそれに付随する問題集。参考書の方はかなり高度なレベルを求めているが問題演習書の方は難問題の系統とその解き方物理I・IIと同じレベルの問題集になる。この本への導入を考える際には物理のエッセンスレベルの基礎が完璧に固められていることが前提である。
物理の原理を厳密に紐解いていくという姿勢を持っており、微積分を多用して問題を解いていく。構成は基本演習・実戦演習・記述演習の三段階に分かれている。自身の学習達成度にもよるが、最初は基本演習、実践演習を通してやるのがいい。基本演習は小問なので、今まで勉強してきた基礎を比較的短時間で復習できる。実戦演習は有名大学の過去問、記述演習は筆者独自のオリジナル問題である。オリジナル問題は解説が丁寧で、ここでも基礎の復習ができる。東大、東工大、東北大、筑波大のような完全記述式の解答形式を要求する大学を受験する人向けに、「記述式問題の模範解答」という、手書きの解答例がついている。記述演習の実を利用するという受験生も多い。
説明が詳しいところも高評価を得ている所以である。単に詳しいだけでなく、図や例を取り入れて解説をしているため、難しい事象でも頭に入りやすい。
・微分積分を使うと物理が明確になることを理解できる。
・最近の大学受験においては、微積分を使った方が楽な問題はあるが、使わなければ解けない問題はない。
・微積分を使える人のための問題集。
・文字が大きいため、問題数はそれほど多くない。
・内容が高度すぎて、高校物理の範囲を逸脱しているものもある気がする。
・物理入門というのは、大学レベルの物理に入門すること?
vol | 対象偏差値 | ページ数 | 著者 | 出版社 | 発行日 | 価格 |
新物理入門(解説書) | 65〜 | 342 | 山本義隆 | 駿台文庫 | 2004/05 | 1,155円 |
新物理入門問題演習 | 248 | 2005/11 | 1,470円 |