高校や地域に縛られない雑談はこちらへどうぞ。
高校のランク †
- どの都道府県でも、進学校として上位に来るのは、昔の藩校(江戸時代の武士の教育機関)の流れを汲むか、旧制の中学校(戦前の教育制度)の流れを汲む歴史ある名門高校が一番の進学校である。
- 高校の偏差値は、大学の偏差値マイナス10で釣り合いが取れると言われることもある。が、模試の媒体によって事情は異なる。
- 交通網が整備されると、交通基盤の「口」に当たる大都市に経済活動が集中し、「コップ」に当たる市町村・地域の経済活動が逆に衰える現象である。
- 高校の勢力図においてもそれは当てはまり、交通網の整備により地元の進学校は衰え、都会の進学校に一極集中する。熊谷高等学校の凋落はこのストロー化現象で説明できる。
偏差値と進学実績 †
- 偏差値を決める集団と進学実績を決める集団は別である。
- 偏差値を決める集団はその高校の当落線上に位置する集団である。一方で、進学実績決める集団はその高校のトップ層である。
- 田舎の公立高校では、その地区の優秀層が入学する一方で、非優秀層も多く存在する。そうなると、「偏差値は低いけど進学実績は意外といい。都市部の高偏差値高校を上回る」という現象が起きる。
- 田舎の高校の場合、偏差値60だったとしても、在籍者の偏差値帯は60~70以上まで幅広いことも多い。一方で都会の高校の場合は、偏差値60の場合、60付近の学力層が非常に分厚くなる。なぜなら、学力が少し上がるだけで違う高校へ行くという選択肢が生まれてくるからだ。
鶏口か牛後か †
- 「上位校にかろうじて入学するよりは身の丈に合った高校でトップを取るほうがいい」
- よく聞かれる文言である。
- しかしこれには大きな誤りがある。確かに、上位校の下位とワンランク下校のトップを比べると、下校のトップのほうが学力は高いかもしれない。しかし、自分がその高校でトップを取れるかどうかは別問題である。
- 一般的に、その人の学力は集団の平均値に引っ張られる傾向にある。つまり、上位校にかろうじて入学すれば後々上方修正されていく可能性が高く、ワンランク下校に余裕で合格すれば下方修正されていく可能性が高いのだ。その修正力をも断ち切ってトップを取ることができれば上位校の下位や平均よりも上に行くことができる。果たして何人の人がその偉業を成し遂げることができるのであろうか。
- 結論として、入学できるならばできるだけレベルの高い高校に入っておいたほうが良い。
学区 †
公立高校と学区制度
中高一貫校 †
- 県の面積が広いと中高一貫化は上手くいかない。通学時間が長くなるから、高校生はともかく小学校を卒業したばかりの中学生だと厳しい。佐賀県や和歌山県が上手くいっているけれど佐賀は面積が比較的狭く、和歌山は可住面積が狭くピンポイントに設置できる。
- 中等教育が求められる理由は、優秀な子がスムーズに大学受験の準備に取り掛かれること。その気になれば一年位で中学課程を終わらせられる子が、内申点気にしながら高校受験まで足踏み続けるのは勿体ない。
- 中高一貫校への途中入学は、映画を後半から観るのと同じで、行事も部活動も人間関係も勉強も100%を享受できない。
共学化 †
- 高校の共学化は、日本全体の流れである。少子化の影響で、生徒数が減少傾向にあるが、さらに減少が続き、15年後には、3割の高校が必要なくなり、廃校や統合の対象になる。その中で、男子校や女子高は人気がなくなってきていて、そのままでは学校の存続にかかわる事態となっている。また、全世界的に、ジェンダー平等の流れもあり、男女で入学を差別するのも問題となりつつある。都会の私立のエリート女子高は生徒は集まっているが、公立の女子高、男子校は生徒が集まりにくくなり、共学化に踏み切る学校が増えている。
- 近年、女子校の共学化がトレンドになっている。渋谷女子→渋谷教育学園渋谷、東横学園→東京都市大学等々力、順心女子学園→広尾学園、戸板女子→三田国際学園……。今年は東京女子学園が共学化し、芝国際に改称した。
- 「女子校が減る中で、逆に別学の良さが見直されてきた。共学ではジェンダーバイアス(性差への偏見)が起こりやすいというデータもある。女子校のほうが女性の自律につながる教育法を取り入れやすい」
高校の方針 †
- 底辺校が進学実績を上げたいと思ったらスパルタ式が適している。
- 中堅校の場合は保護的、親切な対応が適している。
- トップ校の場合は放任主義が適している。
- 西大和学園のように、急激に進学実績を伸ばしトップに上り詰めた高校ではスパルタ→親切→放任というように、学校の方針が発達段階により変化している。
進学校凋落の原因 †
- 学区撤廃:学区撤廃により田舎の進学校は廃れる。
- 受験テクニックの流通:日本のどこにいても大学受験テクニックを得ることができるようになった。トップ校でなくとも情報は入ってくる。
- 伝統の保持:自由放任主義を貫きすぎた。新興の手厚いサポートをする高校に抜かされる。
自由な校風がいい †
- 進学校のみに許される校風である。質の高い生徒に対して自由を与えると自立する。質の低い生徒に自由を与えると堕落する。「自由」を何やってもいい、何もやらなくていいと勘違いして、散々な目に会う。
- 品川翔英高等学校が典型例であり、自由を売りにして生徒を集めたが、低レベルな生徒しか集まらず、締め付けざるを得なくなった。結果として「言っていたことと違うじゃないか」という反発が起き、学校は崩壊した。
コメント †
コメントはありません。 コメント/医学部受験の高校総論?