2021-03-10
16:04:20

 随分と昔の記事ではあるが、キー局の内定者が「俺達ってすごくね」と言っているようである。https://careerconnection.jp/biz/todaytopics/content_1556.html
どうやら2014年の記事であったようだ。
 私も氷河期時代に一般企業への就職活動を経験しているので、キー局への就職の難しさは理解できる。内定を取った者は仲間内ではヒーローである。「どうやって合格したの」「何が決め手だったの」などと質問が殺到する。私の最初の大学の先輩に至ってはフジテレビのアナウンサーに内定し、「女には不自由しない」と豪語していたのだ。確か2002年入社?だったかな。まあ、それだけ勝ち誇るのもわけはない。上記参考記事によれば、2万人が受験しキー局で計80人が内定となるのだ。医学部受験よりもはるかに難しい。医学部は何万人が受験するかは正確な数字はわからないが、共通テストを50万人が受験し、医学部に1万人が入学すると思えば倍率はキー局よりも遥かに低い。
 ただ、この難関さは、「難関である」という口コミが難関さに拍車をかけているだけで、中身は何もない。高偏差値帯の方々は難関を突破することが大好きだ。なので、キー局も難関だから受験するということになる。
 キー局は一見していい生活ができそうなイメージであるが現実は異なる。20代のうちこそ残業代で稼ぎまくって「年収1000万円!」と誇れるかもしれないが、それも他の道を選んだ同級生の給料が安いうちだけである。30代、40代となると、年収は1500万円〜1800万円で打ち止め、ビジネススキルは何も身につかないという惨状になる。40代ともなれば他の会社で能力を身に着けた人材はどこでも必要とされ、年収2000万円以上の高値が付く。googleやfacbookのエンジニアなどはその典型である。また、ビジネススキルを身に着けて起業した人もそれ以上稼ぐ。ただ、キー局ではそうはいかない。それはそうだ。単に5社だけでタレント使ってルーチンワークの番組を流してるだけなんだから、社員はなんの競争にも晒されず、能力も磨かれない。その会社以外からは必要とされないのだ。とすると、「この会社を辞めたら何もできない」というプレッシャーが大きくのしかかり、仕事が嫌でも生きるために仕方なく行かなければいけないという惨状になる。そもそもキー局では何も能力が身につかないため、40代、50代になっても若手社員に勝るものがなかったりするのだ。とすると、少しでも差をつけようと立場の弱い人間を追い詰めたり嫌がらせをしたりするようになるのだ。継続的な研鑽の必要な職場ではそのようなことはなく、上の立場の者に指導してもらって自身も能力アップに努めるという序列が自然と出来上がる。
 キー局に内定して有頂天になっている方々も、20年後は何もスキルがないどこにも必要とされない人間になり、他の会社に行った人や起業した人に大きく水をあけられる人生となるのだ。ちなみに、上記フジテレビに内定した先輩もほどなくしてアナをやめさせられ、今は内勤の部署に異動させられている。これほどまでに学生人気と現実が乖離した例は珍しい。

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