一昔前に「ビリギャル」というものが流行った。というか持てはやされたというか。私自身はこうした偏差値詐欺が嫌いなのでなるべく触れなかったが、予備校選びに通じるものがるのでここで書いてしまうことにした。「ビリギャル」の詳細はわからないが、概要は以下のようなものであろうことが推測でわかる。
という論旨であると思うのだが、結局はこの裏にはタネがあって
ということである。
で、何が偏差値詐欺かというと、そんな勉強してない人が模試を受けたら偏差値30とか40なんて当たり前だと。特にそんな進学校の人であれば早い段階で模試を強制的に受けさせられるだろうし、余程真面目に受験対策をしていない人以外は低く出て当たり前である。なので、この「偏差値30から!」というのは、その人の能力ではなく、単にスタートを切っていないだけなのである。進学校にもスタートの遅い人はいくらでもいて、このビリギャルという人も単にそのうちの一人であっただけである。で、スタートが遅くても私立文系であれば進学校出身者には余裕である。進学した大学は偏差値60~65程度だとは思うが、この人の元々のポテンシャルはそれぐらいはあっただろうし、結局は「元々偏差値60ぐらいの力を持っていた人がそれぐらいの大学に合格しました」っていう話でしかないのである。ただ、そこに「偏差値30から!」(私はこの方の詳細を知らないのでこのフレーズがあったかどうかは定かではないが、大方そんなところだろうという推測です)というようなフレーズを盛り込むことで話を大げさにしている。まあ、嘘ではないが、正確でもなく、受け手の受け取り方次第では感動話に聞こえてしまい、称賛されてしまう。全く称賛されるエピソードではないのに。
で、このような偏差値詐欺が予備校界でもまかり通っていることに注意していただきたい。「偏差値〇〇から!」というフレーズは聞き流す程度でいいかと思われる。どこの偏差値とか受験者がどの状態で受験したかもわからない初期偏差値なんてあてにならないし、大体こうした偏差値はインパクトのある下限値を大げさに伝えているだけで何の意味も持たない。そんな個人の体験の誇張されたエピソードよりも、予備校自体の授業やサポート体制を見極めていったほうが生産的である。
ちなみに、再受験界でも「偏差値〇〇から!」というフレーズは乱用されているが、一旦受験から離れている人であれば30とか40なんて数値は当たり前である。みんなそこからのスタートであるのに、あたかも大きな成功を成し遂げたような書き方をしている人には注意したほうがいい。
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